「オズのダイヤ使い」

■感想メモ。
「オズのダイヤ使い」(末羽瑛・電撃文庫)
オズのダイヤ使い (電撃文庫)
 時は『宝石大量発掘時代』―宝石がその価値を失った世界で「世界の心臓」と呼ばれる莫大なエネルギーを秘めた超巨大な宝石が発掘される。ワールドハートの社長ホープスは、その発見により世界の半分を手中に収めることとなった。数年後―かつてはワールドハートに所属し、七大傑作の一つ「ライトイーブン」と呼ばれる巨大なチェーンソーを使って「世界の心臓」をカットした最後の宝石職人オスカー・オズワルド。彼は親友の形見である人型重機・Dランページを駆り、親友の仇を探す復讐の旅を送っていた。そんなオズのもとに、「遊石民」だという謎の美少女ロシェリアとアンドロイドの少女エネットが現れ…。

 主人公が大人、職業が宝石職人(カット専門)というのは目新しく感じましたが、ストーリーの方はベタで、分かりやすいけれど尖った部分がない感じ。文章も読みやすいんですが、感情の起伏がちょっと伝わりにくいなと思ったりしました。特に主人公の復讐関連なんですけど……親友との過去シーンでの絡みがあまり出ないので、思いの深さがいまひとつピンと来ませんでした。
 ヒロイン姉妹は姉より妹の方が可愛かったけれど、個人的に好みなのはトリガーハッピーな彼女。あとストーリーには関係ないですが、「ロボットアニメオタク」がいるほどロボットアニメが放映されている世界のようには見えなかったのがちょっと気になりました。
 

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「花咲く森の妖魔の姫」

■感想メモ。
「花咲く森の妖魔の姫」(縞田理理・ウイング文庫)
花咲く森の妖魔の姫 (ウィングス文庫)
 妖魔が棲むと噂される森・ポポワトー。その地を相続することになった王子リシャールは、森で獣に襲われかけ、フィーという少女に助けられる。木の葉のドレスを纏った美しく純粋なフィーに心を奪われ、その後も度々森を訪れるリシャール。一方フィーも、知的で誠実なリシャールに無自覚に惹かれていく。だが彼女はポポワトー最強の妖魔・オディロンとライルの大切な養女だった。大反対に遭った二人の恋は…?カタブツ王子と森ガールのファンタジック・ロマンス。

 これはいい御伽噺。登場人物たちの一途さやまっすぐな愛情がたまらなく良いです。
 ふたりの恋の障害だとか突破する方法だとか、奇抜さはないのですが、ハッピーエンド目指して一直線なので、安心して読めました。読み終わると心があったかくなります。妖魔ふたりの親バカっぷりも鬱陶しくなく、絶妙のさじ加減。ですが……オディロンはもうちょっと自重すべき。
 後日談の短編も含め、1冊で綺麗にまとまった、素敵なお話でした。

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「問題児たちが異世界から来るそうですよ? 十三番目の太陽を撃て」

■感想メモ。
「問題児たちが異世界から来るそうですよ? 十三番目の太陽を撃て」(竜ノ湖太郎・角川スニーカー文庫)
問題児たちが異世界から来るそうですよ?  十三番目の太陽を撃て (角川スニーカー文庫)
 レティシアが連れ去られたことで始まったギフトゲーム“SUN SYNCHRONOUS ORBIT in VAMPIRE KING”。勝利条件がない最悪のゲームの開始とともに、地上では巨人族がアンダーウッドを襲い、天には最強種である龍の純血が雄叫びをあげる。絶対絶命のなか春日部耀は、レティシアがいる吸血鬼の古城に1人乗り込んでいった。十六夜も黒ウサギも手が届かない天上の城で、十三番目の太陽を撃ち、ゲームクリアは出来るのか―。

 シリーズ第4弾。
 今までは十六夜の最強っぷりの影に隠れがちだった女の子ふたりのギフトが明らかになり、そして強化され、彼女たちの見せ場が増えたのが喜ばしいです。それでもまだ十六夜には叶いませんけど、十六夜は「最後の砦」「あいつが何とかしてくれる!」てな存在ですもんね。彼の出番は控えめでしたが、安定の強さ。でもラストどうしたのかもうちょっと見たかった。
 推理パートはちょっとごちゃっとしていて、途中で考えるのを放棄してしまいました。あとキャラがだいぶ増えたので、そろそろ登場人物紹介ページとか欲しいです……。
 手ごわそうな敵も出てきており、俄然盛り上がる展開。しかし次回予告がなかったのはちょっと残念でした。

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「悪食姫 恋する悪魔のプロポーズ」

■感想メモ。
「悪食姫 恋する悪魔のプロポーズ」(加納邑・一迅社文庫アイリス)
悪食姫 恋する悪魔のプロポーズ (一迅社文庫アイリス)
 100人もの料理人を雇う、自他ともに認める美食家の姫・ルルは、従者のグリシュとともに隣国で行われる「美食コンテスト」に参加することに。しかしそれは、色気より食い気が勝る姫を嘆いた大臣たちの陰謀で、王子様の妃を選ぶためのイベントだった!?料理人や王子様、そして謎の悪魔まで入り乱れ、美形だけどどこか残念な男性たちが、いつしかルル争奪戦を繰り広げることに!キュートで甘い、ファンタジー恋愛コメディ。

 少女向けラノベの表紙で女1・男2の組み合わせの場合、このふたりがヒロインを取りあうのだろうと予想する中、男の片方(従者)がBLであるという悪い意味で斬新過ぎる設定。しかも兄王子(従者の片思いの相手)が最初しか出てこないという死に設定……。普通に口うるさい従者で良かったのでは。
 国が傾くくらい食べてるのに「国民に美味しいもの食べさせたい」とかいうヒロインの発言はどうなんでしょうか。税金が使われているのに、よく国民は暴動起こさないものだと思ってしまいます。あと黒魔術に対する姿勢(使うと死刑)と悪魔との因縁を見るに、隣国はいつ戦争吹っかけてきてもおかしくないと思うんですが……。登場人物たちは呑気で平和すぎる、と思ってしまいました。

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「魔導書が暴れて困ってます。まぁ、どうしよう!?」

■感想メモ。
「魔導書が暴れて困ってます。まぁ、どうしよう!?」(瀬尾つかさ・一迅社文庫)
魔導書が暴れて困ってます。まぁ、どうしよう!? (一迅社文庫)
 真崎謙児が訪れたのは、東京のはるか南方に位置する六道島。そこには全寮制の学園都市「六道学園」と、この世界において滅多に目にすることが無くなった魔法に関する本「魔導書」を収蔵した大図書館があった。転入初日、夜の学園を散策する謙児の目の前に現れたのは黒髪の少女、冬菜。この世界からは消えたはずの魔力を操る謎の敵に追われる冬菜を助けて逃げる謙児。そんな彼の前に現れたのは輝く銀髪をなびかせる美少女、伊佐木イリーナ。冬菜の姉だという彼女の魔法で窮地を脱した謙児だが、しかし魔力の暴走で図書館の封印がとかれ、魔導書たちが島中に逃げ去ってしまった。心配になった謙児はイリーナの魔導書の回収に付き合うことにしたのだが、ひと癖ふた癖ある魔導書たちに悪戦苦闘、次々と予想外のハプニングにドッキドキ?!魔道書回収ラブコメディ。

 シリーズ第1弾。
 タイトルやあらすじとは裏腹で、魔道書が逃げたこと自体はあまり深刻でもなくメインでもなく、あれよあれよといううちに話が別方向に進んでいってしまうので、読んでいて戸惑ってしまいました。主人公の設定といい、バトルロワイヤルでもはじまりそうな終盤といい、次からはタイトル変えた方がいいのでは、と思ってしまうくらい。個人的には、あとがきにあった初期案の方がよかったなぁと。
 キャラに関しては、主人公は「おっぱい」連呼しすぎて狙いすぎてるというかどういう人格なのか掴みにくいですが、ヒロイン姉妹の性格と関係性はバランスが取れていて良好でした。

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続・切り絵

■切り絵のお話。
 今回はツイッターでリクエストいただいた分です。
 リクエストお題は随時募集中なので、もしあれば拍手コメントとかツイッター等でお気軽にどうぞ~。

 リクエストその1「ドラえもん」

 リクエストその2「ワンピース」

 リクエストその2「ポップ(ダイの大冒険)」

 シンプルな絵柄も、細かい絵柄も、どちらもそれぞれの楽しさがありますね。
 
■ロストレイルで参加したシナリオの感想です。
「ロストレイルの車窓から」(高幡信WR)
 ニワトコが参加したソロシナリオです。
 ロストレイルで移動中の一幕……なんですけど、出身世界に列車なんてないし、閉鎖的空間が苦手なPCなので、どうやって過ごすのかなーと想像を巡らせた結果、こうなりました。なんという妄想劇場……(笑)。

「陰陽街食通記」(菊華伴WR)
 こちらもニワトコが参加したソロシナリオ。
 食べ歩きソロシナということで、味が分からないPCなので、どんなものでも平気で食べちゃうよ!的なプレイングでした。結果的にお店の客寄せみたいになっててほのぼの。食べたものも、見た目はどうあれ、普通に美味しいと思われるもので良かったですね!(笑)。

「機械仕掛けの子ども達はヒトの夢を見るか?」(夢望ここるWR)
 メルヒオールが参加したシナリオです。
 機械仕掛けの人形の子供たちを育てるお話。女の子か男の子か選べたのですが、女の子の方がおもしろ…楽しそうでしたのでそちらに。まともに子育てしてない駄目っぷりを見事に発揮していましたが、立派な子に育って一安心です。もう反面教師ですよね(笑)。ふたりともがデレちゃう場面でにやにやして、「生徒に手を出すな」というPCさんのツッコミに吹きました。

「神託の夢」(天音みゆWR)
 メルヒオールが参加したソロシナリオ。
 今までのソロシナとかシナリオで「故郷に帰属したい」という想いが強まっていたメルヒオールですが、ならば”魔女”をどうにかしないといけないわけで(たとえ帰属できてもまた襲われるでしょうし…)。という点にプレイング考え中に思い至ったこともあり、「乗り越える意志」を示すことに。
 こうやって、PCの変化を徐々にかつ一歩ずつ積み上げていけるのはいいことだなぁと思いました。

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「クロス×レガリア 吸血姫の護りかた」

■感想メモ。
「クロス×レガリア 吸血姫の護りかた」(三田誠・角川スニーカー文庫)
クロス×レガリア  吸血姫の護りかた (角川スニーカー文庫)
 中華街の片隅で2人は出会った。少年の名は戌見馳郎、トラブル解決を1回千円で請け負う学生ボディガード。少女の名はナタ、自称仙人。ナタを護ると決めた馳郎の、平和な日常はわずか一週間あまりで終わりを告げる。人の氣を喰らう吸血鬼、“鬼仙”と呼ばれる者たちの襲撃。彼らの目的は、鬼仙を無力化できる最強最悪の兵器―ナタを狩ることだった。「レンタルマギカ」の三田誠が描く圧倒的スケールの新シリーズ、開幕。

 シリーズ第1弾。
 さすがというか何と言うか、きっちり手堅くまとまっていて、安心感がありました。仙人とか吸血鬼とか、決して目新しいものではないのですが、組み合わせ方が上手いなぁと思いました。主人公・馳郎が「千円にこだわる理由」も過去から現在への繋げ方がいいですね。ぱっと見では明らかに「普通の人間」である馳郎の方が弱いのに、ナタを護ろうとする気概があって、それが口先だけでないのが好印象でした。しかし、1巻でこんなに派手にやっちゃって、今後はどうなるんだろう……という期待と不安も。個人的には、妹が単純なブラコン妹とかではない、面白い立場だったのが良かったかなと。レギュラー化しそうなお嬢様&執事も加えて、キャラ同士の絡みがどうなって行くのかも楽しみなところです。

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「天剣のセレン 邪神の花嫁と暁の王子」

■感想メモ。
「天剣のセレン 邪神の花嫁と暁の王子」(菅沼理恵・一迅社文庫アイリス)
天剣のセレン 邪神の花嫁と暁の王子 (一迅社文庫アイリス)
 「俺の元へ堕ちて来るがいい。我が花嫁」。邪神ダラムに魅入られ、その力を体に封じられてしまった少女・セレン。ダラムから逃げ、強大な力を捨てる方法を探していた彼女の前に現れたのは、美しい青年剣士フォルドだった!触れるだけで邪神の力を抑えることができる彼に押しきられ、ふたりは一緒に旅をすることになってしまい…!?麗しき邪神とミステリアスな剣人に求められた少女をめぐる、天下無敵のラブファンタジー。

 説明不足な点が多すぎて、あれっと思う間に読了。まずフォルドがなんでそんなにセレンに好意を抱いているのか(後半では執着レベル)という基本的なところが不明。セレンもそんなに印象的なキャラではないので、なんでそんなに邪神とか賢者とか大層なひとたちに気に入られているのかもぴんと来ない。良く分からないけどモテモテ。フォルドの素性も、疑問が多いのに明かされるのは微妙な内容で、具体的に何なのか、という説明もないしでもやもや。色んな過程をすっ飛ばして終わった感のあるお話でした。続刊前提だとしても、不明な点が多すぎます。「手を繋ぐと邪神の力が抑えられる」という設定など、いいと思える部分もあるんですけど、不満点の方が上回ってました。

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「華国神記 虚空からの声」

■感想メモ。
「華国神記 虚空からの声」(九条菜月・C★NOVELS FANTASIA)
華国神記 - 虚空からの声 (C・NOVELSファンタジア)
 実兄とはいえ、真名を奪った犯人を庇う鄭仲望に複雑な思いを抱える春蘭。鄭家にいるのが気詰まりで、仕事と称して妓楼に入り浸る。同じころ貧民街で発生した流行病が猛威をふるい、急速に花街にも広まろうとしていた。このまま放置しては甚大な被害をもたらす。守り神が健在であれば起こるべくもない事態に、春蘭は仲望らと共に神域に向かう。その陰で国を揺るがす奸計が進行しているとも知らずに…。

 シリーズ第3弾。
 あちらこちらで恋の華が咲いていましたが、突発的なものが多すぎて吹いてしまいました。しかも、一筋縄ではいかなさそうな、障害が多いものや悲恋で終わりそうだったり片想いで終わりそうなものがほとんどで、彼らの行く末を案じてしまいます。メインである春蘭と仲望は、外堀を埋められている割には「恋愛」という感じではないですね。距離は縮まったようですが……。
 終盤、とあるキャラの退場は意外で、哀しかったです。あのひとを拠り所としているキャラも多いだけに、今後の波乱がますます大きくなりそうです。

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「だから少女はおもいでをたべる」

■感想メモ。
「だから少女はおもいでをたべる」(七烏朱奏・一迅社文庫)
だから少女はおもいでをたべる (一迅社文庫)
 「わしは、おもいでをたべるまものじゃ」
郊外にひっそりと佇む街――霊戸路町。
駄菓子屋を営み、妹の幽霊と暮らす僕の前に現れたのは、ゴシックロリータに身を包んだひとりの少女だった。
忘れてしまった大事な「何か」を抱える僕たちと、居候することになった”まもの”を自称する少女の共同生活は、やがて優しくて残酷な真実へと辿りつく――。
七烏未奏がおくる、ハートフルファンタジー。

 あらすじからは切なくて温かい話のように感じられて惹かれたのですが、お風呂シーンとかあからさまに狙いすぎてて引いたり、後半能力バトルに突入したりでいまひとつ……。普通に日常を送って、事件を解決して、みたいな地味目な話で良かったのになぁと。さらに残ったささやかな余韻さえもあとがきでぶち壊し。作中で触れなかった”重要事項”とやらは作者の胸の中にしまっておいて欲しかったです。個人的に、すごいドン引きでした……。

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