「カナクのキセキ4」

■感想メモ。
「カナクのキセキ4」(上総朋大・富士見ファンタジア文庫)
カナクのキセキ4 (富士見ファンタジア文庫)
 (ううう、ユーリエ、ゆーりえぇ…)アレンシア全土から流れ込んでくる黒夢に意識を刈り取られそうになるたび、カナクは最愛の人を想い、ひたすらに耐えた。あとどれだけ黒夢を集めれば、ユーリエのもとに飛べるのか?その傍らには、ユーリエの心を継いだ夢魔が傳いている。「魔王さま、今は焦らずに黒夢を集めることに専念して下さい」苦しむ若き魔王を、リーゼは言葉少なに見守った。一方、オリヴィアは各国の王と連携を取り、銀獣人の少年ライカを影砲士へと鍛え始める。そしてカナクと世界の両方を救いたいネウは、手がかりを求めてミスティカの大図書館を目指したが―。

 シリーズ第4弾。
 3巻まで表と裏、ふたりの人物の視点固定だったのが変化していて、おおまかなあらすじをなぞるようだったストーリーが、少し掘り下げられていたかな、と感じられました。ただキャラの動き(心情変化など)が大雑把な感じがするのはあんまり変わらないかなーと。カナク側とオリヴィエ側は惹きつけられる部分もあったものの、ネウたちの方が冗長な気も……。やたらばたばたしてるなぁというのが一番の印象でした。

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「夢の上 サウガ城の六騎将」

■感想メモ。
「夢の上 サウガ城の六騎将」(多崎礼・C★NOVELS FANTASIA)
夢の上 - サウガ城の六騎将 (C・NOVELSファンタジア)
 サマーアにアライスという「光」が現れ、人々は希望を取り戻す。だが、「光」を未だ目にすることのなかった時代、「光」が己の輝きの萌芽に気づく前、その姿はどう映っていたのだろう。混沌とする「未来」を決して諦めなかった者たちがいた。彼ら六人は時にアライスを支え見守り、救国軍の礎となる。そのケナファ騎士団の六士隊長の軌跡を追った連作短編集。

 全4巻で完結したシリーズの短編集。ケナファ騎士団の6人の士隊長を主人公とした連作短編で、物語の聴き手となっているキャラが次の短編の語り手になる…という形式になっています。
 実のところ、彼らは本編では脇役であり、程度の差はあれど、個人的にはそんなに馴染みのないキャラクターではありました。しかしながら、読み進めるうちにどんどん惹きこまれて行きました。切ない話あり、ほっこりする話しあり、でとても楽しめました。どの話も良かったんですけども、ラストのアーディン(正確には彼の両親に纏わる話)の短編は、本編を読み返したらまた違った印象を抱きそうで、何とも言えない気持ちになりました。
 次回作も楽しみにしています…なのですが、刊行予定は来年の春ということで、気長に待つことになりそうです。

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どこまでも旅を

■ロストレの参加シナリオがどどっとノベル公開になったので感想です。

「【トゥレーン】花の音楽」(北野東眞WR)
 ニワトコの参加したソロシナリオ。
 チェロ弾きの主人が奏でる三分間の曲の間に語った話の内容により、花を咲かせることができます。
 ニワトコが語った”詩語り”は、同WRさんに以前書いていただいたプラノベ「不思議なニワトコと詩語り」に出てきた人物です。「誰かにお話を聞かせる」というので一番最初に思い浮かんだのが彼でした。プラノベでは詩語り視点でニワトコの心情は一切出てきませんので、今回はその逆バージョン、となります。
 自分なりに一生懸命話すニワトコにほのぼのした気分になりました。

「告解室にて」(瀬島WR)
 ニワトコが参加したソロシナリオ。
 告解室にて、秘密を打ち明けるという内容です。
 これまで参加したソロシナリオやシナリオ、プラノベでの内容を鑑みて、「人間にあこがれている部分」「普通の樹木にあこがれている部分」の狭間で揺れている心情を語ってみました。プレイングでは特に指定してなかったんですけど、過去プラノベを参照してくださっている部分(ニワトコが食べ物の名前を挙げている部分で出てきたのがアイスクリームとチョコパフェだった)があって、嬉しくもあり気恥ずかしさもあり(笑)。
 ”中の人”の優しい言葉には目からうろこで、本人もだいぶ前向きになれたんではないかなと。

「【最果ての流転 アルカトゥーナ】よろこびを謳う海」(黒洲カラWR)
 ニワトコが参加した企画シナリオ。
 キャラバンとともに、旅をしました。
 もうちょっと他PCさんと絡めたら良かったなぁと思ったりしましたが、プレイングの細かい部分まで拾っていただけて感謝。
 キャラバンのひとに「旅に終わりや果てはあるのか」という質問をぶつけて答えてもらって、色々と考えさせられる部分も多かったです。
 素敵な企画をしてくださったPCさんにも感謝です!

「安眠には程遠く」(青田WR)
 メルヒオールのプラノベ。
 メルヒオールのプラノベは覚醒前の話が多いのですが、今回は覚醒直後、ということでお願いしました。
 オファー文を書いたのがクリスマスだったので、内容もクリスマスっぽく……なんですが、「近所のたかしおにいちゃん」にすべてを持っていかれた感がひしひしと。いったい何者なんだ、たかし……!(笑)
 青田WRのコメントも噂にたがわず長文で楽しませていただきました(笑)。

「【決戦!ジェロームポリス】軍艦都市炎上」(リッキー2号WR)
 メルヒオールの参加したパーティシナリオ。
 イベントシナリオ群の中の一つとなっています。実は通常シナリオに抽選で落ちまして……。その時こちらの参加人数が20人程度だったので、人数足りないんではないかと思って入ってみたものの、最終的には70人はいてまったくの杞憂だったという、そんなパティシナです。
 公開されたノベルを読んで、あまりにもロストナンバー無双で吹きました。皆さん超本気ですね!そんな中、メルヒオールは陽動の補助的行動をしてました。若さとは…みたいな描写されてましたけど、先生まだ20代ですよ!(笑)

「魔女と踊れ!」(北野東眞WR)
 メルヒオールのプラノベ。
 何と初めて!ゲストPCさんをお招きしてのプラノベです。快く承諾してくださったPLさんに大感謝。
 オファー文のみならず、舞台がインヤンガイだったためか、それぞれが参加したソロシナリオ「陰陽街食通記」の内容がばっちり活かされていて驚きでした。
 この話の続きも、また計画中です。いつ実現するかは未定ですが……。

「常盤小町をもう一度」(天音みゆWR)
 メルヒオールの参加した通常シナリオ。
 老人のかつての恋のお相手の思い出を探すお話です。
 ニワトコで参加しようか迷ったんですが、結果的にはメルヒオールで良かったなと。他のPCさん方もNPCも女性ばかりでしたので、思い切り弄られてげんなりしてるメルヒオールに笑いました(笑)。
 しかし他PCさんは細かい部分まで気を配ってて凄いなぁと。自分のプレの中では、『今日、逢いに行きます』のフレーズを気に入ってもらえたのは幸いでした。

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「覚えてないけど、キミが好き」

■感想メモ。
「覚えてないけど、キミが好き」(比嘉智康・一迅社文庫)
覚えてないけど、キミが好き (一迅社文庫)
 高校二年生の小衣吉足、あだ名は小吉。高一の妹ひなたと二人暮らし。両親を三年前に亡くし、そのショックから「自分にとって身近な人であればあるほど忘れてしまった」特殊な記憶喪失で過去の一部を失くしていた。そんなある日、突如、誰もが振り返るような美少女が転入してくる。その名は浅海ゆらら。吉足は、ゆららから衝撃の真実を告白されてしまう。「わたしの元カレは…小衣吉足です」記憶を失った空白の一年、本当に吉足はゆららと付き合っていたのか?そしてゆららの急接近に慌てる妹ひなたの真意とは。

 あらすじを読む限りでは、「本当に主人公とヒロインは付き合っていたのか?」というのを主軸にした話のように思えるのですが、メインは妹の話でした。
 恋人だったかどうかはほぼ確定な感じで、もしかしたらこの先揺らぐことがあるのかもしれませんけど、現状では「ヒロインが主人公に積極的に絡みたい理由」くらいな位置づけ。ストーリー的には、「主人公兄妹とヒロインが同居することになって三角関係に?」というところに着地すべく1冊引っ張った、という感が否めませんでした。ヒロインが迷探偵だったりコスプレしまくったり……という変な設定が浮いてしまってるなぁと個人的には思ってしまいました。

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「神殺しのリュシア」

■感想メモ。
「神殺しのリュシア」(遠沢志希・F-clan文庫)
神殺しのリュシア (f-Clan文庫)
 恩恵をもたらす竜が蘇らず、世界は戦渦の直中にあった。不死の体を持つ傭兵の少女リュシアは、この戦いは竜を蘇らすための聖戦だと信じて、戦っていた。ところが、竜が蘇らないのは、自分が禁忌を犯したせいだと知る。絶望と罪悪感の中、リュシアは身を捧げて罪を贖うため、己を葬る役目を任された神官のユアンと共に旅に出た。だがユアンの優しさに、その決意が揺らぎそうで…。

 ふたり+一人の旅路。後半に急に出てくる(ように見える)三人目は果たして物語に必要なキャラなのかな?と最初は思ったのですが、彼無くしては幕の引けないお話であったと思います。
 竜を蘇らせるための戦いと信じて命を投げ出す子供たちの姿と、そんな彼らを救いたいと我が身を投げ出すリュシアの姿はただただ物悲しいものがあります。しかし、だからこそ辿り着いた結末は、ふたりにとってかけがえのないものなんだなぁと。
 1冊で綺麗にまとまった、良いお話でした。

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「ミニッツ~1分間の絶対時間~」

■感想メモ。
「ミニッツ~1分間の絶対時間~」(乙野四文字・電撃文庫)
ミニッツ―一分間の絶対時間 (電撃文庫)
 私立穂尾付学園高校一年一組、相上櫻。一分間だけ相手の心を読める『ミニッツ』能力の持ち主。“一年生にしてこの学園の生徒会長になる”―そんな大それた野望を持つ櫻は、この『絶対時間』を利用し、クラス内で“頼れるが妬まれない、愛嬌のある委員長”という絶妙な立場を演じていた。しかしある日、ふとした事がきっかけで、自身の秘密を生徒会副会長の琴宮遙に知られてしまう。櫻は、遙の弱みを握り返すため、彼女が提案する心理ゲーム『馬鹿と天才ゲーム』に挑む―。第18回電撃小説大賞“選考委員奨励賞”受賞!トリックとロジックが交差する、学園騙し合いラブストーリー。

 もっともっとがっつり駆け引きを読ませてくれるかと期待してたのに、それほどでもなかったです。
 カラー見開きまで使ってる「馬鹿と天才ゲーム」は、「え、もおう終わり?」とあっけなくて肩すかし。主人公の詰めの甘さも気になったし、他のキャラもあまり良い感じのしないキャラが多くて、そちらの方が印象に残ってしまいました。主なキャラのうち、いてもいなくてもいいようなキャラがいるのはシリーズ化前提なのかなぁと思ったり。
 それでも前半は腹の探り合いなどは結構楽しく読めたんですが、後半になると思わぬ方向へ迷走しはじめて……。前半から中盤くらいまでのノリで最後まで突っ走ってくれた方がまとまりがあって良かったと思います。

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「王立エトワール近衛隊 氷の薔薇に敬礼を」

■感想メモ。
「王立エトワール近衛隊 氷の薔薇に敬礼を」(栗原ちひろ・角川ビーンズ文庫)
王立エトワール近衛隊  氷の薔薇に敬礼を (角川ビーンズ文庫)
 熱血新米士官・アルの配属先は、お飾りと名高いエトワール近衛隊。失望するアルの前に現れたのは氷の薔薇と称される美形の上官・シャリオとその右腕の野獣系肉体派少佐・フラム。惚れ惚れと二人を見上げたその矢先、突然シャリオに投げ飛ばされ!?美貌とは裏腹なドS上官に暴れるアルだったが、絢爛な軍服に身を包んだお飾り集団は、実は精鋭士官による特命部隊で!?宮廷内の事件に挑む、美麗男子達の華麗なる作戦開始。

 シリーズ第1弾。
 軍隊もの…というので、どうしても前作「レッド・アドミラル」とイメージが被ってしまう部分が。しかも今作は主人公男、周囲も男ばかり、というので恋愛成分とかはないのかなぁと思ってしまったり。
 1巻と言うことで、主に主人公と上官の関係とか背後とかの紹介に終始した感がありました。上官は言うほどドSでもないですね。そして脇キャラである仲間たちがあまり印象に残らないほど影が薄かったので、次回以降にきっちり掘り下げて欲しいなぁと思いました。

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「魔導書が暴れて困ってます2 ま、どうにかしましょ」

■感想メモ。
「魔導書が暴れて困ってます2 ま、どうにかしましょ」(瀬尾つかさ・一迅社文庫)
魔導書が暴れて困ってます。2 ま、どうにかしましょ (一迅社文庫)
 伊佐木イリーナとともに危険な魔導書を封印しながら、六道島での穏やかな日々を送る謙児のもとに新たな美少女魔導師、宇此鳴アンリエッタが現れた。伊佐木家の分家にあたる宇此鳴家のアンリエッタの来訪に、イリーナの妹の冬菜はなぜか動揺する。時を同じくして、謙児同様に邪神の血をひく赤毛の男、ボルホス・ハドリッドが六道島に現れて…。

 シリーズ第2弾。
 相変わらず、魔導書が暴れたことより他のことの方で困ってる話。
 新キャラのアンリエッタは良いキャラしているし、比較される冬菜の葛藤と活躍も○。クルルハルルも可愛かったです。しかしながら、下ネタとかラッキースケベも増産で、シリアスな話になれば面白いのに、そこまで辿り着くのに難儀しました。主人公が普段おっぱい連呼でどうしようもないようなキャラなのに、シリアスになるといきなり良い人になって大きいことを言い出すギャップがちぐはぐに思えてなりません。どうも主人公に馴染めないんですよね……。

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参加PBMまとめ

■現在参加中&参加予定のPBMをざっくりとまとめ。

「螺旋特急ロストレイル」
 2PCでまったりと参加してます。

「Rin”G”host」
 参加決定しまして、PCを考え中です。

「Fistinia- Fantoche」
 プレイヤー登録済。PCはまだ未定。

「ゴースト・ダンス・ダンス・ダンス ~偉人はいかにして幽霊になりしか~」
 参加予定。たぶんPCは一人になると思われます。

 ……こうして見ると、結構ありますね!参加するよ、してるよという方はどうぞよろしくお願いしますね!

■ロストレで参加したシナリオの感想です。

「桜の園に光は満ちて」(菊華伴WR)
 メルヒオールの参加したソロシナリオ。
 桜の咲く園が舞台ということで、桜の季節+学校=卒業式!という分かりやすい構図に、世界から忘れられる消失の運命を持つロストナンバーとしての悲哀みたいなのを加えてプレイングを書きました。プレイングというかSSになっちゃったなぁと思いつつ。
 ラストで授業内容のメモが出てくるところですが、クリスマスの掲示板イベントではテストの答案用紙とかも出てきたんですよね、あのローブのポケットから。実は洗濯してないんでは疑惑が……(笑)。

「寂しさに心を痛める女生徒は、ヒトの夢を見るか?」(夢望ここるWR)
 メルヒオールのプラノベ。以前参加した同WRさんのシナリオ「機械仕掛けの子ども達はヒトの夢を見るか?」の後日談として、自身が育てたオートマタの子供に会いに行くお話です。
 PCたちロストナンバーの特性として「旅人の外套」というのがありまして、公式の説明としては「旅を終えて帰還したロストナンバーのことを、現地の人は高確率で忘れてしまいます。」となっています。これがどの程度作用するのか判別しにくかったのでWRさんおまかせにしたんですが……。もう内容にじたばたと悶絶してしまいました(笑)。他PCさんの育てた子供たちも勢ぞろいしていて、実に贅沢なノベルでした。

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「ベイビー、グッドモーニング」

■感想メモ。
「ベイビー、グッドモーニング」(河野裕・角川スニーカー文庫)
ベイビー、グッドモーニング (角川スニーカー文庫)
 「私は死神です。つい先ほど、貴方は死ぬ予定でした。でも誠に勝手ながら、寿命を三日ほど延長させて頂きました」夏の病院。入院中の少年の前に現れたのは、ミニスカートに白いTシャツの少女だった。死神には、月ごとに集める魂の“ノルマ”があり、綺麗なところをより集めて新しい魂にする=「ペットボトルのリサイクルみたいなもの」と言うのだが…。『サクラダリセット』の河野裕&椎名優が贈る、死神と四つの濁った魂の物語。

 4つの物語からなる短編集。それぞれリンクしている部分があって、最後の一編に綺麗に収束していきます。タイトルの意味がわかるラストは秀逸。
 4つの話すべてに登場する死神の少女。彼女は「人を殺す」のではなく、死ぬ人の魂を集めて新しい魂をつくるのがお仕事。淡々とした口調ながらも、自身のノルマのために寿命を延長してしまったり、服装がユニクロだったり、コンビニで買い物したり、と妙に人間ぽいところを見せるのがなかなかに魅力的でした。死にゆく人々も、自身の死期を知りながらも、「死ぬ前にしたいこと」を想ったり実行したり、様々な生き方を見せてくれるのが胸にじんわりときました。どれも素敵な話でしたが特に後半2篇がお気に入りです。

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