「あくまでも、妹が欲しいんです。」

■感想メモ。
「あくまでも、妹が欲しいんです。」(水無月さんご・一迅社文庫)
あくまでも、妹が欲しいんです。 (一迅社文庫)
 無類の妹好きなのにリアル妹がいない俺、二宮シンヤ。その迸る想いを胸に妹イラストを描いていると、窓から悪魔のリリンがやってきた。リリンは俺の願い事を3つ叶えてくれるらしい。それを聞いて「妹が欲しい。あ、もう一人。もう一人追加」と願う俺。それはもう詳細な設定資料まで付けて。翌朝起きると願いは見事叶い、俺の家には二人の妹が―!?小悪魔系ドタバタ妹コメディ。

 妹好きで妹が欲しくて悪魔にお願いしたら妹が3人もできてしまった!という冒頭から始まる妹3人とのドタバタな生活は割と楽しく読めました。
 しかし、後半のとってつけたようなシリアス展開はいただけません。主人公は「妹」という記号が好きなだけで、妹本人のことはどうでもいいのでは?と疑ってしまうような無茶ぶり。「妹」さえいたら、それが誰でもいいのか……と突っ込まずにいられません。結局は「自分の考えた妹キャラ」が実現すればそれでいいのかと。何とも味気ない感じがしました。

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「東京レイヴンズ7 _DARKNESS_EMERGE_」

■感想メモ。
「東京レイヴンズ7 _DARKNESS_EMERGE_」(あざの耕平・富士見ファンタジア文庫)
東京レイヴンズ7_DARKNESS_EMERGE_ (富士見ファンタジア文庫)
 『D』による陰陽塾襲撃事件からしばらく。その傷跡は大きく、陰陽塾は一時閉鎖に追い込まれ、退塾する生徒も続出していた。そんな中、『D』と大友の熾烈な呪術戦に心を奪われたままの春虎は、夏目とともに訪れた陰陽塾屋上の祭壇で、一人の少女と出会う。「君たち二人のことはよく知ってる。初めまして―ぼくは相馬多岐子」。その出会いが、のちにもたらす意味を知らないままに。時同じくして、呪捜部公安課による双角会掃討作戦が密かに始動。陰陽庁内部に潜む“敵”の炙り出しが行われるのだが!?―。

 シリーズ第7弾。
 分厚くて読み応えのある巻でした。
 裏で色々起こっていたと思ったら一気に動き出して、早く続きを!と言いたくなってしまいました。
 春虎が前巻での大友先生の戦いを見ての成長&覚醒でわくわくしていたら、京子が大きな壁にぶつかっていたりして……。良くも悪くも今までどおりではいられず、何かしらの変化が求められるこの状況。ここからいったいどうなって行くのか、目が離せません。
 それにしても大人たちのバトルがかっこいいのは相変わらずで、天海部長には痺れました(笑)。

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「楽聖少女」

■感想メモ。
「楽聖少女」(杉井光・電撃文庫)
楽聖少女 (電撃文庫)
  高校二年の夏休み、僕は悪魔メフィストフェレスと名乗る奇妙な女によって、見知らぬ世界へ連れ去られてしまう。
 そこは二百年前の楽都ウィーン……のはずが、電話も戦車も飛行船も魔物も飛び交う異世界!?
「あなた様には、ゲーテ様の新しい身体になっていただきます」
 女悪魔の手によって、大作家ゲーテになりかわり、執筆をさせられることになってしまった僕は、現代日本に戻る方法を探しているうちに、一人の少女と出逢う。稀代の天才音楽家である彼女の驚くべき名は──
 魔術と音楽が入り乱れるめくるめく絢爛ゴシック・ファンタジー、開幕!

 とりあえず作者はハイドンに謝るべき。まぁ他にも「どうなんだろうこれ」的な扱いのキャラは何人かいましたが……。
 主人公もヒロインも、同作者の他作品のキャラと似たり寄ったりな感じで、その点については目新しさはなかったものの、安定感はありました。
 音楽に詳しくなくても知っているような有名な人物たちとの関わりも、なかなか楽しかったです。特にサリエリは映画「アマデウス」のイメージが強すぎる、という点については、そうだよなーと深く頷いてしまったり。
 しかしながら、後半の魔術とか戦闘とかは余計なように感じられました。総じてちょっと惜しい印象の作品でした。

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「灰かぶり姫と吸血鬼~ブラッディ・ガーネットの少年伯~」

■感想メモ。
「灰かぶり姫と吸血鬼~ブラッディ・ガーネットの少年伯~」(かたやま和華・一迅社文庫アイリス)
灰かぶり姫と吸血鬼~ブラッディ・ガーネットの少年伯~ (一迅社文庫アイリス)
 宝石商の娘だったメルディは、伯母に家屋敷を乗っ取られ、吸血鬼一族が住むと噂される不気味なガーネット城へ奉公に出されてしまう。しかし、そこで待っていたのは、麗しく成長した初恋の美青年!…と思いきや、目覚めた時に隣にいたのは生意気な美少年!?「お前こそが、オレの唯一無二の…晩餐なのだ」あなたが欲しいのは私?それとも私の血?花嫁と書いて晩餐ってどういうこと…!?―。

 不幸な身の上であるはずのヒロインが天然と言うには度を越したポジティブさで、感情移入しにくかったです。せっかく、いじわるな伯母と従姉にルルーを会わせる機会があったのに実現せず、彼女らをぎゃふんと言わせて溜飲を下げるようなことができずに実に残念。まぁ、メルディ本人にとっては瑣末なことなのかもしれませんが…(ポジティブなので)。
 あと気になったのは、忠誠がどうのと言う割には本人が出てこないのでいまひとつ説得力に欠ける女王様と、存在が宙ぶらりんな気がしたエテルロットでしょうか。細かい部分まで手が回ってないように感じられました。
 個人的に好みだったのはルルーの兄ノア。男前でけじめの付け方もいいのに、将来の夢はあれで良かったのか…と思わないでもないですが。

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「ささら咲く―化生国牡丹花伝―」

■感想メモ。
「ささら咲く―化生国牡丹花伝―」(紫月恵理・一迅社文庫アイリス)
ささら咲く-化生国牡丹花伝- (一迅社文庫アイリス)
 動植物や物の化身で人外の力を持つ者、化生。牡丹化生に守護される加賀見国の美貌の国主由峰の秘密は女であること、そして守役である半化生の青年・高遠に恋していることだった。ところが、隣国の国主の子息・雅季に女だと知られ、黙っているかわりに彼と秘密裏に結婚することを強要されてしまい―!?男装の女当主と烈しい想いを秘めた半化生の守役、隣国の野心家の青年。守るべきは国か許されぬ想いなのか?和風花恋絵巻登場。

 淡々とした話運びで、着地点も予想しやすいだけに、意外性がなかったのは残念。主人公たちは現状を打破しようと努力はするのですが、結局のところ大化生である涼風の心持ひとつであるので、何だか肩すかし。化生などの設定も曖昧さがあり、この国はよく今まで成り立ってきたものだなぁと思ってしまう部分も。もうちょっと恋愛成分的な華やかさでもあればよかったのですが……。

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「オカルトリック」

■感想メモ。
「オカルトリック」(大間九郎・このライトノベルがすごい!文庫)
オカルトリック (このライトノベルがすごい! 文庫)
 狐憑きの少年・玉藻と、超絶美女でヒッキーな探偵・ねえさんの、奇妙でふざけた、そして真摯なオカルト事件簿。自然発火、物の怪憑き、チュパカブラ……次々に起こる事件を通して描き出されるものは何か? オカルト×トリック×カラクリ=人間の幸福って、どんな物語だよ! 第1回『このライトノベルがすごい! 』大賞・栗山千明賞受賞の衝撃作『ファンダ・メンダ・マウス』の大間九郎の新シリーズ開幕です!!

 最初はキャラの掛け合いやら事件の調査内容やら真相ばらしやら、ぐだぐだ気味かなぁと思いましたが、次第に背景が明らかになって行くと、不思議としっくりきているように感じられました。オカルトとか推理とか、そういう方向よりも、キャラの個性で引っ張って行く作品のような印象。玉藻と葛乃葉の関係は好きですね。最初はどんな変態だ、と思ったりしたのに……(笑)。きちんと理由の描写があるところが良かった。
 それにしてもイソラという要素がいったいどんな事件を巻き起こすのか。ラストの引きが不安すぎます……。

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「禁書庫の六使徒」

■感想メモ。
「禁書庫の六使徒」(栗原ちひろ・F-Clan文庫)
禁書庫の六使徒 (f-Clan文庫)
 世界中の呪いが集まる百塔街。魔界の血を引くアレシュが結成した、街を守る「深淵の六使徒」は、突如空いた大穴の解明に乗り出す。そこへ、魔界の紳士がメイドのハナを迎えに現れた。アレシュの目前で婚約者だという彼の手を取り、去ってしまったハナ。茫然自失で寝台の中へ引きこもるアレシュだったが、ハナの悲しい本音を知って、彼女を取り戻そうと魔界へ乗り込むことに―。

 シリーズ第2弾。今回はハナちゃん回。
 ……なのですが、クレメンテが卑怯なくらいインパクトありすぎて……。あれ、こんなキャラだったっけ?(笑)どうみてもギャグキャラのような扱い(しかも結構便利)で吹いてしまいました。
 アレシュとハナちゃんの関係はとても好みで、にやにやできました。アレシュのダメっぷりと、ハナちゃんの毒舌ツンデレっぷりが実にいいですね。他のキャラは少し影が薄めだったような。次以降の巻があるならば、もっとスポットが当たればいいなぁと思います。

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「人生 第2章」

■感想メモ。
「人生 第2章」(川岸殴魚・ガガガ文庫)
人生 第2章 (ガガガ文庫)
 夏。第二新聞部の赤松勇樹は、部長の二階堂彩香から、人生相談コーナーのメンバーで合宿に行くよう命じられる。しかたなく理系担当の梨乃、文系担当のふみ、体育会系担当のいくみの三人にメールで打診するも、三者三様に断られてしまう。しかし彩香は、第一新聞部の活動に対抗しているようで、夏の海をあきらめない…。友情、貸金、盗用、性欲、勝負のこと。第二新聞部の新コーナーは大反響!みんなの相談に答えるのは、志乃、くみ、よしたかの三人…って、オマエラ誰だよ!?超☆感覚・人生相談2回目!行くの?合宿。

 シリーズ第2弾。
 合宿に本当に行くとは……(笑)。
 1巻同様のゆるい雰囲気でしたが、女の子たちが可愛いのはいいことです。ところどころ笑えるポイントもあり。怪しい民宿のくだりは前作のノリを彷彿とさせました。ライバルに関してはくどいかなぁと思ったものの、今回きりのネタ……ですよね? 対決時のなりふり構わなさは個人的にツボでした。

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「上海恋茶館 待ちぼうけのダージリン」

■感想メモ。
「上海恋茶館 待ちぼうけのダージリン」(青木祐子・コバルト文庫)
上海恋茶館 待ちぼうけのダージリン (コバルト文庫)
 二十世紀初頭、上海租界の英国人屋敷。両親が行方不明になって半年。十六歳のリリアは保護者のフェイに支えられながら、愛する紅茶を淹れる日々を過ごす。ある日、従兄弟のライオネルが、母国への帰国と結婚を迫ってきた。その目的は、ミルドレッド家の莫大な財産。その頃、家出同然に上海港に辿りついた日本人青年・楠木龍之介がいた。彼はリリアの恋人役を引き受けることになるが…。

 シリーズ第1弾。
 時代と舞台の雰囲気がなかなか良いなぁと思いました。
 登場人物の中では群を抜いたダメっぷりを終始発揮するライオネルが特に気になりました。他の人物たちが世慣れている中であの世間知らずさではさもありなん……という感じでしたが。ひたすら転がされている悲惨さ。面白いキャラでしたけど、再登場はないかな……? ヒロインのリリアはただ求婚をかわしたいだけのお嬢様ではなかったところに意外性があってよかったですね。龍之介の方も一筋縄ではいかなさそうなところがリリアと釣り合いが取れてますね。
 全体としてみると派手さには欠けるお話でしたが、この先どう展開していくのかは気になるところです。

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「俺がお嬢様学校に「庶民サンプル」として拉致られた件2」

■感想メモ。
「俺がお嬢様学校に「庶民サンプル」として拉致られた件2」(七月隆文・一迅社文庫)
俺がお嬢様学校に「庶民サンプル」として拉致られた件2 (一迅社文庫)
 お嬢様にモテモテ生活&庶民部の活動はさらに加速。ツンピュア愛佳の次なるぼっち脱出作戦、白亜と過ごす何気ない休日、麗子の女子会、可憐さんの太ももなどなど、全26話+α、ノンストップ&おまけページも充実でおおくりする超人気ハートフル学園ラブコメ第2弾。

 シリーズ第2弾。
 メインのストーリーがあるようなないような、部活である必要性もあるようなないような、そんな軽い話をさくっと読める感じになってます。
 白亜との絡みはほのぼのするし、相変わらずモブお嬢様たちは可愛いなぁと思うものの、個人的には可憐が浮いてしまっているように思われました。女子会のくだりは好きで、ぶっちゃけ主人公いない方が面白いんでは?などと思ってしまう部分も……。ラストのメイドさんのインパクトも良かったです。しかし、愛佳の脱ぼっち作戦はワンパターン化(ぼっち脱出→失敗)しないかどうかとネタ切れが不安点。

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