「二年四組交換日記 腐ったリンゴはくさらない」

■感想メモ。
「二年四組交換日記 腐ったリンゴはくさらない」(朝田雅康・スーパーダッシュ文庫)
二年四組 交換日記 腐ったリンゴはくさらない (集英社スーパーダッシュ文庫)
 問題児ばかりで構成されたクラス、それが私立伯東高校二年四組だ。クラスのボスである委員長は強権を発動し「皆の心をひとつにする」ために交換日記を開始する。日記は誰が書いているのかもわからないようにされ、登場するクラスメイトも属性に基づく異名やその所属する派閥で表現される。日記では予想外の事件や秘めたる恋が描かれて…?

 第9回SD小説新人賞佳作受賞作。
 これはアイデアの勝利。
 2年4組の生徒35人は、はじめ交換日記では異名で書かれているのですが、徐々に本名も混ざって出されるようになって行きます。読みながら自然と、異名と本名を結び付け始めるのですが……。巻頭のカラーページにイラスト付で生徒一覧表が付いているのがとてもいいですね。読む前からワクワクさせてくれるし、名前当てをしたくなってきます。
 ただ、名前当てに夢中になると話を追いかけるのがおろそかになったり、ストーリーの方は後半が高校生の枠をはみ出し過ぎてしまっているのが気になりました。もうちょっとこじんまりとした範囲の話でも良かったかもしれません。
 それにしても、35人をきっちり描いた絵師さんは凄いと思います。

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「吉野北高校図書委員会」

■感想メモ。
「吉野北高校図書委員会」(山本渚・MF文庫ダ・ヴィンチ)
吉野北高校図書委員会 (MF文庫ダ・ヴィンチ)
 男友達の大地と大好きな後輩がつきあいだした。彼女なんてつくらないって言ってたのに―。二人に接するうち、大地への微妙な想いに気づいてしまったかずら。一方藤枝は、気持ちにふたをするかずらへの、一途な想いともどかしさを抑えきれず…。悩み、揺れ動く図書委員たちを描いた第3回ダ・ヴィンチ文学賞編集長受賞作が文庫書き下ろしで登場。

 シリーズ第1弾。
 地元県民として、阿波弁を知らない人でも意味が通じるように文章化するとこうなるのかーとくすぐったいような微妙な気持ちになったり、地名とか「汽車通学」なんて単語を説明なしにぽんと出して県外の人に通じるんだろうか?と思ったりしました。あと「初デートはかずら橋」→娘に「かずら」と命名というエピソードに激しくツッコミを入れたくなったりも。
 図書委員的なお仕事はあまり深くは描かれず、委員たちの人間関係がメイン。やさしくふんわりとした空気が特徴的でした。登場人物の中では藤枝が応援したくなる感じがして良かったです。

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夜物語

■PBW「螺旋特急ロストレイル」。
 とりあえず何かひとつシナリオに参加してみようと思い、シナリオにエントリーする!→抽選で落ちるorzというのを2度繰り返して、「いつになったらシナリオ参加できるんだろう……」と不安になりつつまたエントリーしたら、三度目の正直なのかようやく当選しました!
 シナリオ参加は純粋に抽選のようで、初参加だろうがなんだろうが関係ないみたいですね。シナリオ数が需要>供給という状況で、かなり狭き門、という印象です。もうちょっとすんなり参加できたらなぁ、とどうしても思ってしまいます。
 ともあれ、参加が決まったことですし、プレイングをもそもそ考えないと。ハロウィン時期に合わせた「夜」のイベントですけど、植物な自PCにとっては太陽恋しくてちょっと辛かったりするかも……なんて思ったり。

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「時間商人  トキタの死期、カナタの思恋」

■感想メモ。
「時間商人  トキタの死期、カナタの思恋」(水市恵・ガガガ文庫)
時間商人 トキタの死期、カナタの思恋 (ガガガ文庫 み 1-8)
 時間商人トキタは、とある都会の片隅で不老不死の時間を売っている―。トキタと契約すれば、顧客は「10年間限定の不老不死」を手にすることができる。トキタ自身も不老不死で、助手カナタとともに永らく時間商人を営み続けていた。そんなトキタに時間盗賊暗躍の一報が届く。人間の寿命を軽々と奪う、時間盗賊の次なる狙いはトキタの寿命だった!カナタの姉、ハルカの協力のもとで自衛につとめるトキタだが、均衡はあっさり破られる。カナタ誘拐という、最悪の形で。人質交換の条件を前にしたトキタの選択は―。

 シリーズ第4弾。
 今回は時間商人側にスポットが当てられていて、連作短編と言うよりは長編の印象でした。客側の事情は入って来ず、どんでん返しも捻りも少なめ。ただ、カナタ視点の描写は可愛いし、トキタの内心を知れたのは良かったです。あと、カナタ寄りの心情になってしまうせいか、寿命を使ったビジネスはあまりいいこととは思えませんでしたけど……。加えて、いつもより「寿命」の扱い方が軽いかな、というのが気になりました。
 綺麗にまとまったラストでしたが、最後の一文を読むとシリーズ完結とも受け取れてしまいます。もうちょっと続けて欲しいと思うのですが、続編が出ないとしたら残念。
 

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「じんわり君臨!!邪神大沼」

■感想メモ。
「じんわり君臨!!邪神大沼」(川岸殴魚・ガガガ文庫)
じんわり君臨!! 邪神大沼 5 (ガガガ文庫)
 国政に打って出ることとなったグールCの突然の辞任により、臨時の生徒会選挙が決定した川又高校。生徒会長の椅子をめぐって多数の候補者が擁立されるなか、大沼のもとに当然のように『らくらく邪神マニュアル選挙用』が届けられる…。本書はそんな、自分の配下の政界進出のために、しかたなく選挙戦を開始するハメになった主人公の日常について書かれた小説です。事前調査でダントツの最下位になっても、ディベート対決で大逆転を狙いましょう!マニフェスト通りに恐怖政治スタート!?ボケチックコメディ第5弾。

 シリーズ第5弾。
 相変わらずゆるゆるとした雰囲気ですが、生徒会長選挙というイベントのおかげでやりたい放題だったのが楽しかったです。脇キャラもしっかり自己主張して……って、一部人類でもなければ生物でもないキャラ(?)も交じってましたが(笑)。良いことっぽい台詞を言ってもスルーされる主人公がいつもどおりで良いです。
 しかしこのラストだと、次回は邪神マニュアル何編になるのかが気になるところです。

肷

旅に出よう

■右サイドバーの「About」を現状に修正しました。
 ゲームの方は停滞したまんまなので削除(スパロボ第3次αは見たいイベント見たらやっぱり満足して放置になってしまいました……)。
 PBMは「螺旋特急ロストレイル」を追加。キャラ登録のみでまだシナリオ参加はしてないのですが(エントリーだけはしてます)、のんびりゆったり遊べたらいいなぁと。

■訂正版データシートが届いたPBM「どらごにっく★あわー!」のアクションは提出&到着確認済み。
 唸りながらアクション書く→成功して「やったー!」となった次の回は気が抜けてぐだぐだになるジンクス……。
 もう本当に思いつかなくてしんどかったですorz
 でもチャットで同シナリオPLさんたちとお話しするのは楽しかったです!

■先日、ついにマイカーにカーナビがついたので、甥っ子乗せて遠出してきました。
 その途中で海に行ったのですが……。

 棒きれ1本で波に立ち向かう甥っ子の図。

 この後、足湯しに行ったり、お寺に参拝したりとまったり楽しみました。
 いやー、カーナビ、便利すぎる……。

■拍手コメントお返事
 また遅くなってしまい申し訳ありませんorz
>13日
(桐咲キセキのキセキ)
仰る通り、夢月の行動って一貫してるんですよね。特に何か変化とかあったわけでもないのに、作品にとって必要な存在であるように感じられてしまうのがやはり不思議です。「妙に癖になってしまう」味わいですね!

肷

「東京鬼祓師 鴉乃杜學園奇譚」

■感想メモ。
「東京鬼祓師 鴉乃杜學園奇譚」(矢吹ましろ・一迅社文庫アイリス)
東京鬼祓師 鴉乃杜學園奇譚 (一迅社文庫アイリス)
 <秘法眼>と呼ばれる、見えざるものを見る力を持ち、不思議な力の宿るカード――カミフダを封印する<封札師>となった少女・武藤いちる。所属する組織・OXASの任務によって、ひとり新宿に赴いたいちるは、カミフダの中でも強大な力が宿る<呪言花札>を巡る事件に巻き込まれていく――。

 同タイトルゲームのノベライズ。
 ゲームは全く知らないのですが、何となく読んでみました。
 ゲーム本編の主人公(七代)が直接関わらない部分で起こった事件に周囲のキャラたちが巻き込まれるというお話。でも構成としては少し微妙。あらすじを読む限りではいちるが主人公っぽいのに、終盤の見せ場以外だとバタバタ走り回ってるだけのような印象。その間に他のキャラたちが色々出てきて敵をやっつけたりしてしまうので、すごくちぐはぐな感じでした。多くのキャラを出してにぎやかにしたかったのかなと思ったりしましたが……。
 あと七代くんはゲームだといわゆる「喋らない主人公」なんですかね。友人と一緒にいるシーンでもまったく台詞がないのでかなり空気。ラストシーンは良かったのですが。

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「Re:俺のケータイなんてかわいくない! 」

■感想メモ。
「Re:俺のケータイなんてかわいくない! 」(神尾丈治・一迅社文庫)
Re:俺のケータイなんてかわいくない! (一迅社文庫)
 俺とあいつの馴れ初め?なにその結婚式の仲人が得意げに披露するふたりのエピソードみたいな辱め!?ええと、そうだな…あれは、俺が新しいケータイを買いにケータイショップへ行ったときのことだ。どれにしようか迷っていたら、頭にアンテナみたいなのを付けている変なコスプレちびっこ店員がいてな、『スペシャルでデラックスなケータイ』というのを勧めてきたんだ。そしたらなぜか教会で、ウェディングドレスを着た正体不明の女が現れて…。

 既存のゲーム(年齢制限あり)と同一世界観+登場人物も出張とのことですが、そちらを全く知らなくても特に問題なく読めました。
 携帯を擬人化ということで、携帯の機能を人間に割り当てるとどうなるか……と言う設定はなかなか面白かったです。でもメールを他人に勝手に送信しまくるのは勘弁して欲しいところ。あと気になったんですが、擬人化は必ず美少女なんでしょうか。男性版とかいないんでしょうか。まぁそれはそれで何となく嫌な気がしますが。
 主人公が押し掛け美少女(ツンデレ)と揉める→仲直りというストーリーは特に新鮮さもなく。基本的にツンデレ好きですが、煩すぎるべるのよりは旧型のなごみの方が好みでした。暴力姉はやりすぎ感があってイマイチ。しかし続刊があればまだ美少女が増えるって……次は何が擬人化するんでしょうか。

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「剣の女王と封印の仔VI」

■感想メモ。
「剣の女王と封印の仔VI」(杉井光・MF文庫J)
剣の女王と烙印の仔Ⅵ (MF文庫J)
 大陸は戦乱に包まれた。「――蹂躙せよ!」突如として開始された冬の国アンゴーラ帝国から聖都への侵攻。そしてサンカリヨンでは、パオラ率いる銀卵騎士団と強敵・王配候ルキウスの激戦が始まった。しかし、いまだ心が離れたままのミネルヴァとクリスの思いは繋がらない。一方、教会を統べる次期総主教選挙に向かったフランチェスカは、“刻印の謎”の深淵に迫り、自らの覇道をゆく決意をする。「あたくしの戦いはもう、将のものではない」「どうして、離れるんだ」「ミネルヴァのためにも」杉井光が贈るファンタジー巨篇。運命に翻弄される少年少女に激動のときが迫る!

 シリーズ第6弾。
 今回はフラン、パオラ、ジュリオの奮闘がメインで、クリス&ミネルヴァの出番が少なめ。主役なんだから、もうちょっと目立って欲しいなぁと思ったりもします。
 当初はジュリオに関してはさほど気になるキャラでもなかったのですが(設定があまり好みではなかったこともあり)、今回の文字通り我が身をなげうつ行動に、彼を待つのは一体どんな未来なのかと心配になりました。幸せであればいいと思うけれど、彼が頑張れば頑張るほど主人公ぽくなっていってクリスたちの影がもっと薄くなってしまうのではないかという危惧も。
 そういえば人物紹介が帯にしかないんですけど、帯の無い状態で読む人もいるでしょうし、中にきちんと紹介ページを設けた方がいいと思います。

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「クドリャフカの順番 十文字事件」

■感想メモ。
「クドリャフカの順番 「十文字」事件」(米澤穂信・角川書店)
クドリャフカの順番―「十文字」事件
 待望の文化祭が始まった。何事にも積極的に関わらず“省エネ”をモットーとする折木奉太郎は呑気に参加する予定だったが、彼が所属する古典部で大問題が発生。手違いで文集を作りすぎたのだ。部員が頭を抱えるそのとき、学内では奇妙な連続盗難事件が起きていた。十文字と名乗る犯人が盗んだものは、碁石、タロットカード、水鉄砲―。この事件を解決して古典部の知名度を上げよう!目指すは文集の完売だ!!千載一遇のチャンスを前に盛り上がる仲間たちに後押しされて、奉太郎は「十文字」事件の謎に挑むはめに!

 シリーズ第3弾。2作目までは刊行直後に読んでいたものの、そこからしばらくこのシリーズから遠ざかっていました。なので、登場人物たちも一部忘れかけていたのですが……。
 「文化祭」という、字面だけで十分にわくわくしてしまうお祭りに加え、「過剰在庫」というトラブル。導入部から惹きつけられて、ブランクを飛び越えてするすると物語に入って行けました。4者4様の視点で描かれているのが楽しかったり面白かったり切なかったり。奉太郎のパートの末尾には文集の在庫数がカウントされていて、事件の解決と同じかそれ以上に気になって仕方がなかったです。
 クイズ大会や料理対決、わらしべ長者など、合間に起こるイベントも楽しみつつ、綺麗にまとまった結末に拍手。すっきり爽やかな読後感でした。

肷