「魔法戦争II」

■感想メモ。
「魔法戦争II」(スズキヒサシ・MF文庫J)
魔法戦争Ⅱ (MF文庫J)
 魔法使いの少女・相羽六との出会いをきっかけに、自身も魔法使いになってしまった高校生・七瀬武。彼は、同じく魔法使いになってしまった幼馴染み・五十島くるみ、友人・伊田一三と共にすばる魔法学院に転入し、そこで魔法の勉強をすることになる。魔法にも慣れてきたある日、六が敵コミュニティに囚われた兄・十を救出しに戦乱の中に飛び込んで行ってしまう。武は六を助けるために後を追いかけるのだが、そこで見た光景は、まさに「地獄」そのものだった。魔法使いの血が舞い散り、躍る――!! 
これは、別れた世界に生きる少年少女の運命……現代・本格魔法アクション第二弾!

 シリーズ第2弾。
 前半~中盤以降までひっぱり学園祭がページ数的には多くを割いているのにもかかわらず内容が浅めであるのと、主人公たち主要キャラがバラバラな方向を向き過ぎているのが気になりました。武はやたらと六に肩入れ、六は兄のことしかほとんど考えず、くるみは武に固執するばかりで空回り、伊田は……わりと空気? 特にくるみは人間関係をギスギスさせている要因で、かといって他に何かをなすわけでもなく、”要らない子”と化してしまってます。敵にでも回らないと今後身の置き場が無くなるのでは、と思ってしまいます。
 敵となっている十もそこまで強い印象もなく、話に締まりがありません。あと敵が校内に潜入…というのが学校としては警戒ができていないのか?というのも引っ掛かった点でした。

肷

「聖剣の刀鍛冶#12 Sacred Sword」

■感想メモ。
「聖剣の刀鍛冶#12 Sacred Sword」(三浦勇雄・MF文庫J)
聖剣の刀鍛冶12 (MF文庫J)
 全市民の耳目を集めることとなったセシリーのプロポーズから数日、市民の移住計画と平行して騎士団による封印の最強化計画もまた開始されていた。プレア火山の洞窟奥深くに広がる“氷の間”に幾本もの聖剣のレプリカが突き立てられる。その光景は、まるで墓標。―そしてこの計画が、新たな事態を引き起こすことに。一方、キャンベル家のメイド・フィオはセシリーのためにウエディングドレスを用意していた。かたやルークもまた、セシリーのためにリサとともに“ある刀”を打つ。やがてくる帝国との最終決戦を前に、一条の光がこぼれ射す、最新巻。

 シリーズ12巻。
 ストーリーが大きく前進したのはいいんですが、新キャラによる力技で一気にまとめに入ったような印象を受けました。敵側も自身の過去を話しだしたりしていたので、余計にそう感じられたのかもしれません。ちゃんと話がまとまりそう……という目星が付いたのは良かったのですが。伏線はあったとはいえ、少々急な感じ。
 ともあれ、表紙とか帯でネタバレ全開でしたけど、めでたい話も続いたのは良かったと思います。セシリーとルークのいちゃいちゃはにやにやできましたしね。結婚式は突っ込みどころ多すぎでしたけど。

肷

「魔法戦争」

■感想メモ。
「魔法戦争」(スズキヒサシ・MF文庫J)
魔法戦争 (MF文庫J)
 七瀬武はちょっと暗い過去を持ってはいるが普通の高校生だ。良く言えば真面目、悪く言えば根暗というのが周囲からの評価。とある事情から幼馴染みの五十島くるみと嘘の恋人関係を築いているが、それ以外は普通の生活を送っていた。しかし、ある日彼は校内で、見たことのない制服を着た少女・相羽六が倒れているのを発見する。彼女との出会いにより、武の運命は大きく揺さぶられ、そして変化していくのだった。「わたしは、魔法使いなの。ごめん…あなたを魔法使いにしてしまった」2つに分かれた世界でいくつもの精神が交差する。現代・本格魔法アクション開幕。

 シリーズ第1弾。
 1巻ということもあり、登場人物紹介や世界観説明の準備段階といった感じ。設定は複雑なものではないので、すんなり入って行けました。ただ今回出てきた組織(グループ)は二つだけですが、今後増えていきそうなので、あまりややこしくならないといいなぁと思ったり。主要登場人物については、ヒロインふたりがどちらも可愛かったのが良かった。三角関係よりも、女の子同士で友情が芽生えないかなーというのをちょっと期待(※百合的な意味で無く)。
 気になるのは主人公の弟。今回はちらっとしか出てきませんでしたけど、魔法使い化して敵対……というのがものすごくあり得るので。その場合、とっても泥沼な話になりそう……。

肷

「聖剣の刀鍛冶#11.Women」

■感想メモ。
「聖剣の刀鍛冶#11.Women」(三浦勇雄・MF文庫J)
聖剣の刀鍛冶  11 (MF文庫J)
 ルークの変調をリサから明かされたセシリー。ルークは頑なに隠そうとしているが、セシリーとリサは互いに彼を支えることを心に誓う。ルークとの関係をどのようにするべきか悩んだセシリーは母に、亡き父との馴れ初めを聞くことにする――。一方、軍国ではゼノビアが付き人のシャーロットとともに城を抜け出し、大陸を包む不穏な空気に萎縮しかねない市井の声を聞くべく街中へ繰り出していた。また他方、帝政列集国のフランシスカは、主に従属する魔剣の定めをヴェロニカから見出そうとしていた……。穏やかな日常の中で覚悟を固めていく女たち、心底に銘を切り、居並ぶ!!

 シリーズ第11弾。
 何度も延期を繰り返していたので、しばらくは出ないのかなと思ってたら今月発売でした。
 今回は女性陣メインの短編集。前回のあの引きで、セシリーとルークはどうなる・どうするんだろうと気になっていたので、ふたり(主にルーク)の出番が少なくて、もやもやしっぱなしでした。結局、最後の最後でトドメの一撃といわんばかりのものがどかんと来ましたけど、ちょっと物足りない気も。ストーリー自体は進んでいるものの、長編で読みたかったなぁと思う部分も。しかし、セシリーの両親の馴れ初めエピソードと、現在のセシリーを重ね合わせる構成は良かったなと思いました。

肷

「剣の女王と烙印の仔VIII」

■感想メモ。
「剣の女王と烙印の仔VIII」(杉井光・MF文庫J)
剣の女王と烙印の仔 Ⅷ (MF文庫J)
 “流転する生命”という最凶の力を引き摺りながら進軍する女帝アナスタシア。その傍ではニコロだけが一命を取り留めていた。帝国を脱出したジュリオとシルヴィアには死の追跡の手が伸びる。一方、疲弊した聖都でミネルヴァは記憶と精神、全てを失ったクリスと対面した。裡なる獣を封印するにはそれしかなかったのだ。そしてついに聖将軍となったフランは全てを背負い、帝国との決戦に挑む。
「真名を思い出したらあいつはもう、クリスじゃなくなる。そうしたら、斬ればいい」定められた刻印の運命によって分かたれたミネルヴァとクリスの最後の戦いの行方、そしてはじまりの獣と終わりの女神が出逢うとき、世界は――。一大ファンタジー巨編、ついに終幕!

 シリーズ完結。
 何となく、あと2・3冊は続くんだろうなぁと思っていたので驚きでした。この巻で決着はついているし、主だったキャラには活躍の場もその後の描写もあるものの、やはりもうちょっと読んでいたいシリーズでした。最後まで読むと、銀卵騎士団のみんなが揃っていた頃が、遠い昔のように感じられました。
 しかし、カラー口絵(見開き)のカーラ先生のラスボスオーラときたら(笑)。挿絵でも何かオーラ出てるし、その割にあっさりした退場で、ちょっと吹いてしまいました。ずっと引っ張ってたのにそうなのかーと。

肷

「剣の女王と烙印の仔VII」

■感想メモ。
「剣の女王と烙印の仔VII」(杉井光・MF文庫J)
剣の女王と烙印の仔Ⅶ (MF文庫J)
 刻印を戴いた王配侯ルキウスをその手にかけたミネルヴァとクリス。ついに二人の想いは繋がったが、次なる途を自分たちの手で切り開くため、別離の決意をした。一方、総主教選挙で人為による神の力を得たフランチェスカは、聖王国との休戦協定に呼び出される。罠を危惧するも、銀卵騎士団は再び動き出すことになる。そして行方不明になったシルヴィアのため自らの肉体を国王に明け渡し、前線へと行軍するジュリオだが……。「信じていてください。人の心の力を」「それが、人の戦いだから」神の力に抗う少年少女たちが紡ぐ、壮大なスケールのファンタジー、ついに佳境に突入!

 シリーズ第7弾。
 登場人物たちが幾つかに分かれて別々の場所で行動している中、距離を隔てていてもそれぞれの行為が激しく影響を及ぼしあっているのが面白かったです。思わぬところで偶然が重なりあって……。全部読み切った!という顔をしてたキャラでさえ覆されて翻弄されているのがいいですね。クリスはどうなるの?ミネルヴァはフランはどうするの?という引きに、素直に次巻が待ち遠しくなりました。
 今回一番印象的だったのはヒエロニヒカでした。なかなかにショッキング……。他にもいろいろありましたが、あの場面がやはりインパクトが大きかったです。

肷

「聖剣の刀鍛冶#10.Trial」

■感想メモ。
「聖剣の刀鍛冶#10.Trial」(三浦勇雄・MF文庫J)
聖剣の刀鍛冶10 (MF文庫J)
 セシリーを守るために最後の変化の呪文で剣の姿のままとなったアリアを胸に、独立交易都市へと戻ったセシリー。しかし彼女を待っていたのは、ルークとユーインの消息が絶たれたという悲報だった。件のルークとユーインは、突如襲った地震によって閉じこめられたヴァルバニルの封印される洞窟内でその末端らしき触手との攻防を繰り広げていた。他の出口を探して灼熱の闇の中を彷徨い続けるルークたち。そしてその奥底で地面に突き立てられた直刀を見つけるのだが――!?  壮大なファンタジー叙事、薄闇の底で真紅に燃える刀身を打つが如き“鍛錬の刻”!!

 シリーズ第10弾。
 帯でもまったく隠す気の無いこの表紙絵。本屋で買う人とか図書館とかはまったく考慮してないのかなぁとか思ったりしました。
 今回はルーク&ユーインがメイン。閉じ込められたふたりの必死の探索行。生死を分かつギリギリの極限ラインでうっかり本音ぶっちゃけてしまったりとか、何でそこでセシリーと付き合う付き合わない云々の話に持って行っちゃうのかとかなりツッコミ入れたくなってしまいました。
 ラストでついに、ルークの身に何が起こっているのか気付くセシリーですが……ここもシリアスなシーンのはずなのに、見開き挿絵も相まって切なくなるより先にツッコミを入れたい気持ちが先走ってしまったのでした。なんにせよ、次の巻ではちゃんと服を着ていて欲しいです(表紙で)。

肷

「吉野北高校図書委員会」

■感想メモ。
「吉野北高校図書委員会」(山本渚・MF文庫ダ・ヴィンチ)
吉野北高校図書委員会 (MF文庫ダ・ヴィンチ)
 男友達の大地と大好きな後輩がつきあいだした。彼女なんてつくらないって言ってたのに―。二人に接するうち、大地への微妙な想いに気づいてしまったかずら。一方藤枝は、気持ちにふたをするかずらへの、一途な想いともどかしさを抑えきれず…。悩み、揺れ動く図書委員たちを描いた第3回ダ・ヴィンチ文学賞編集長受賞作が文庫書き下ろしで登場。

 シリーズ第1弾。
 地元県民として、阿波弁を知らない人でも意味が通じるように文章化するとこうなるのかーとくすぐったいような微妙な気持ちになったり、地名とか「汽車通学」なんて単語を説明なしにぽんと出して県外の人に通じるんだろうか?と思ったりしました。あと「初デートはかずら橋」→娘に「かずら」と命名というエピソードに激しくツッコミを入れたくなったりも。
 図書委員的なお仕事はあまり深くは描かれず、委員たちの人間関係がメイン。やさしくふんわりとした空気が特徴的でした。登場人物の中では藤枝が応援したくなる感じがして良かったです。

肷

「剣の女王と封印の仔VI」

■感想メモ。
「剣の女王と封印の仔VI」(杉井光・MF文庫J)
剣の女王と烙印の仔Ⅵ (MF文庫J)
 大陸は戦乱に包まれた。「――蹂躙せよ!」突如として開始された冬の国アンゴーラ帝国から聖都への侵攻。そしてサンカリヨンでは、パオラ率いる銀卵騎士団と強敵・王配候ルキウスの激戦が始まった。しかし、いまだ心が離れたままのミネルヴァとクリスの思いは繋がらない。一方、教会を統べる次期総主教選挙に向かったフランチェスカは、“刻印の謎”の深淵に迫り、自らの覇道をゆく決意をする。「あたくしの戦いはもう、将のものではない」「どうして、離れるんだ」「ミネルヴァのためにも」杉井光が贈るファンタジー巨篇。運命に翻弄される少年少女に激動のときが迫る!

 シリーズ第6弾。
 今回はフラン、パオラ、ジュリオの奮闘がメインで、クリス&ミネルヴァの出番が少なめ。主役なんだから、もうちょっと目立って欲しいなぁと思ったりもします。
 当初はジュリオに関してはさほど気になるキャラでもなかったのですが(設定があまり好みではなかったこともあり)、今回の文字通り我が身をなげうつ行動に、彼を待つのは一体どんな未来なのかと心配になりました。幸せであればいいと思うけれど、彼が頑張れば頑張るほど主人公ぽくなっていってクリスたちの影がもっと薄くなってしまうのではないかという危惧も。
 そういえば人物紹介が帯にしかないんですけど、帯の無い状態で読む人もいるでしょうし、中にきちんと紹介ページを設けた方がいいと思います。

肷

「剣の女王と烙印の仔V」

■感想メモ。
「剣の女王と烙印の仔V」(杉井光・MF文庫J)
剣の女王と烙印の仔 5 (MF文庫 J) (MF文庫 J す 3-5)
 総主教が殺された戦勝祝典より十日後。クリスはミネルヴァとお互いに傷ついた身体を看病しながら、自分の烙印の力について改めて考えていた。クリスは今まで戦う理由を誰かに預けてきたが、“ミネルヴァを護るために”と自らの意志を自覚し始める。
 そんな時、フランチェスカは次の総主教を決める密議へ参加するため、銀卵騎士団をパオラたちに任せ、ジルベルトだけを伴ってプリンキノポリへ戻る。そして現れた次なる敵、王配候ルキウスの攻撃が連合軍を猛追する!
 徐々に明かされていく刻印の謎、テュケーの恩寵――世界を揺るがす「神の力」が顕現する緊迫の第5弾登場!

 シリーズ第5弾。
 ここに来て国外からもちょっかいがかかるとは……。キャラが多いので国内だけでも追うのが手一杯、という状況で、ストーリー的にもまとまるのかどうか、少し不安になりました。個人的には、もっとクリス&ミネルヴァの描写に割いて欲しいなーと思うのですが……。あとがきを読む限りでは、次は見せ場が多そうですけども。暗く重たい展開が続きがちなので、そろそろ希望の光も見たいところです。

肷