「花嫁アンソロジー」

■感想メモ。
「花嫁アンソロジー」(深山 くのえ・片瀬 由良・葵木 あんね・ルルル文庫)
花嫁アンソロジー (ルルル文庫)
 両親を失い、親王家の姫としての身分を捨てた綺姫が買った一枚の薄様―それは不思議な出会いの始まりだった(深山くのえ「冬の蝶」)、彼女いない歴=年齢!!恋愛オンチの女子高生・比奈と魔界の王子様の結婚式!?(片瀬由良「愛玩王子―My Dear」)、必ず彼女を守る―陰謀うずまく後宮で、太子が愛する宮女・水蓮のためにした決意とは?(葵木あんね「青宮の華燭」)豪華執筆陣によるトキメキ花嫁ストーリー。ラブ満載の一冊です。

 「花嫁」と題されている割には、普通の恋愛モノ短編集のような印象でした(直球で花嫁の話もありますが)。
 オリジナル読み切りの「冬の蝶」「青宮の華燭」はどちらも綺麗にまとまっていて良かったです。前者は結局のところヒロインが元姫君なので身分差をあっさりクリアしちゃうところとか、少し都合のよさを感じましたが、顔も知らない相手に対して少しずつ手を伸ばしていくかのような文のやり取りが○。後者は悪役や王様がちょっと思慮不足なところにげんなりしましたが、真面目で一途なヒロイン&ヒーローは好印象でした。
 3本中唯一の他作品の後日談である「愛玩王子―My Dear」は、登場人物が多すぎて、元作品を知らないと何が何やら……といった感じだったのが残念。

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「悪い魔法使いはいりませんか?」

■感想メモ。
「悪い魔法使いはいりませんか?」(矢貫こよみ・ルルル文庫)
悪い魔法使いはいりませんか? (小学館ルルル文庫 や 1-1)
 「王子が十八歳になったら呪いをかける!」──悪の魔法使いが、王家に残した予告の年、弟子のスイハはその役目を押しつけられてしまう。師匠の面子のため、使い魔のフクロウと王宮へ向かったスイハだが、王子の居場所はなんとハレムの中! しかも、すでに呪いをかけられていて!? 魔具によって捕らわれたスイハは王子に絶対服従の上、呪いを解く協力をさせられることに。初めは師匠の敵と思っていた王子だけど……?

 第3回ライトノベル大賞奨励賞作品。
 敵として出会った相手に惹かれてしまう、というベタなんですが手堅くまとまった作品、といえます。登場人物がそんなに多くないせいか、犯人はすごく分かりやすかったです。
 一言でいえば「悪の魔法使いの尻拭いを全力でやらされる話」。師匠はそんなに悪人っぽくはないのですが、周囲に悪影響を及ぼすという点ではたしかに「悪の魔法使い」なのかもしれません。この人のおかげでどうにも王子の影が薄く感じられてしまうのが……。立ち位置的にあまり好きなキャラではありませんが、師匠の方をメインに持ってきた方が個性があったのではとちらっと思ったりしました。

肷

「世直士学園~天使と王子とマリア様」

■感想メモ。
「世直士学園~天使と王子とマリア様」(七海花音・ルルル文庫)
世直士学園―天使と王子とマリア様 (ルルル文庫)
 エリート男子校「世直士学園」高等部一年の飛鳥咲、ミカエル王子、阿部真璃矢は、愛と希望があふれる世界を目指して人助けに燃える仲良しトリオ。ある日、真璃矢のもとに可愛らしい女の子が助けを求めてやってきた。女の子の父親は大物政治家だというが、その父親のせいで…!?咲ら三人は大胆な計画のもとある行動に出る!そしてそんな中、真璃矢の意外な秘密が…!?愛と笑いと感動の男子校物語。

 シリーズ第2弾。
 1巻よりすらすら読めたのは慣れてしまったからか読み飛ばしのコツをつかんだからか。
 それにしても敵役の小物っぽさがひどい。政治的圧力が~と言ってたわりに主人公の祖父の店にやった嫌がらせがしょぼい。あれだけ脅迫めいた言動をしていたのだから、口封じをしてもおかしくなさそうなのに急に皆で改心するし。なんとなく釈然としないものが残りました。
 1巻で出ていたクラスメイトがほぼ出なかったのは残念。自分のキャラ立ちを気にしていた人とかちょっと気になってたんですが。

肷

「世直士学園」

■感想メモ。
「世直士学園」(七海花音・ルルル文庫)
世直士学園 (ルルル文庫)
 世直しの心を広め、愛あふれる世界にしようという校訓のエリート男子校「世直士学園」高等部に入学した飛鳥咲。困った人(猫にも)に手を差し伸べすぎて、入学式に遅刻してしまった!そんな咲は「真心組」へ。可憐天然系のミカエル王子、麗しき阿部真璃矢らクラスメイトとともに楽しい学園生活が始まり…!?しかし愛で満ちた学園で怪事件が…!?笑撃の男子校物語!美少年大活躍!感動もあり。

 シリーズ第1弾。
 読み始めて数ページで挫折しそうに……。いきなり作者視点ではじまるので最後までそうなのかと心配したらそうでなく、安心したところで”(←○○○)”という形でのセルフツッコミが地の文といわず台詞の中でも頻発。オヤジギャグと蘊蓄語りの波状攻撃でギブアップ寸前。それらの部分を読み飛ばすことで何とか最後まで辿り着けました。波長が合う人にはいいんでしょうけど、私には無理でした……。一応シリアスもあるにはあるのですが、滑り続けるギャグ部分との喰い合わせが悪いですね。

肷

「プリンセス・ハーツ~恋とお忍びは王族のたしなみの巻~」

■今日読んだ本メモ。
「プリンセス・ハーツ~恋とお忍びは王族のたしなみの巻~」(高殿円・ルルル文庫)

 十年に一度の賭博祭に沸くアジェンセンの公都パールエルム。人々は互いの身分を隠すため仮装し仮面を被り賭博を楽しむ。そして精霊たちも集まるという不思議な祭りに心惹かれたジルとルシード。互いに内緒で王城を抜け出し、夜の祭りに紛れると…。その頃、北の強国オズマニアから若き王子オースが城にやってきた。ジルさえもオースの申し出に翻弄されることに…!?

 シリーズ第4弾。
 絵師さんが変更になったことは事前に知っていたのですが、実際に表紙を見たら目にまぶしいくらいのキラキラっぷりに……ちょっとびっくりしました。キャラの印象もだいぶ違っていて、あとがき読んだら某キャラの帽子がナースキャップにしか見えなくなって困りました(笑)。
 内容としては離れ離れになった仮面夫婦がそれぞれピンチに陥る話でお約束的ではあるのですが、それぞれ相対する相手がどちらも一筋縄で行かなさそうなところが面白かったです。ジルもルシードも、1人きりでいると素直に相手のことを考えられるのに、相変わらずじれったいですね。
 2人が合流できるのかも気にかかるところですが、その先にある会議もどうなるか、次巻が楽しみです。

肷

「プリンセスハーツ 乙女の涙は最強の武器!の巻」

■今日読んだ本メモ1。
「プリンセスハーツ 乙女の涙は最強の武器!の巻」(高殿円・ルルル文庫)
プリンセスハーツ  乙女の涙は最強の武器!の巻プリンセスハーツ  乙女の涙は最強の武器!の巻
 マシアスを救出しようと王宮を抜け出したジル。しかしそれはジルを捕らえるための罠だった。捕まったジルは意志を操られる薬を飲まされ、知られてはいけない秘密を口に……!?ルシードはジルを無事に助け出せるのか!?犯人の目的とは一体!?そして、愛妾オルプリーヌの本当の目的が分かる時、事件は意外な方向へ動き出す!

 シリーズ第3弾。絶体絶命のピンチからの逆転劇、というのは燃えますねー。ジルの不在でどうなることやらと思いましたが、ルシードも1人でよく頑張りました。「アホなヒーロー」(あとがき参照)からは脱却できたでしょうか(笑)。
 しかし事態は一旦収まったものの、すべてが解決したわけではなく。また新たな謎が出てくるわ、メリルローズ(本物)が顔見せするわで平穏な時間は長くは続かない様子。ラストのジルの一言で色々台無しになったとはいえ、距離の近付いた仮面夫婦。じれったさを残しつつも仲良くいて欲しいところではありますが……。
 本編とは関係ない話ですが、冒頭の「ゲルマリック」という単語や、あとがきの「眼鏡・レース・ムスカ様」を見て「銃姫の最終巻はまだですか~!?」と言いたくなってしまいました(笑)。

肷

「封殺鬼 鵺子ドリ鳴イタ1」

■今日読んだ本メモ。
「封殺鬼 鵺子ドリ鳴イタ1」(霜島ケイ・ルルル文庫)
封殺鬼 鵺子ドリ鳴イタ1封殺鬼 鵺子ドリ鳴イタ1
 シリーズ第1弾。
 千年を生きる鬼・戸倉聖と志島弓生。彼らを従える、裏の陰陽師にして神島家の当主である14歳の少女・桐子の物語。
 元々このシリーズはキャンパス文庫で出版され、完結したものらしいですが、そちらはまったく知りませんでした。前知識の無い状態で読んだ本でしたが、未読者に分かりづらいということもなく、すんなり読めました。
 1冊で話が終わらず、この巻はほとんどキャラの顔見せ程度で終わってしまったのは物足りませんが、登場人物たちの掛け合いは面白かったです。桐子と聖の子供じみた喧嘩とそれに挟まれる弓生、という構図が好きです。そして、家人のまとめ役である宇和野さんとその奥さんもいいキャラしてました。続きが気になってしまう引きだったので、また続刊も読んでみたいと思います。

肷

「プリンセスハーツ~両手の花には棘がある、の巻~」

■今日読んだ本メモ。
「プリンセスハーツ~両手の花には棘がある、の巻~」(高殿円・ルルル文庫)
プリンセスハーツ~両手の花には棘がある、の巻~プリンセスハーツ~両手の花には棘がある、の巻~
 シリーズ第2弾。
 仮面夫婦に仮面主従に仮面愛人……なんだかルシードが可哀想になってきました。弟とのことも根が深い問題のようで。切り捨てるに切り捨てられない、という複雑な思いは分かるんですが……。
 弟の思わぬ告白を受けたルシードと、愛妾の存在で自分の行動に乱れが出ているのを受け止められないジル。2人の互いへの感情は確かにあると感じられるものの、素直に口に出来る人たちではないので今回もやきもきしてしまいました。
 お話はこの巻だけで終わらず、次回へ続く。問題がほとんど片付いてないままなんですが……大丈夫なんでしょうか。

肷

「エノーラ・ホームズの事件簿~消えた公爵家の子息~」

■今日読んだ本メモ2。
「エノーラ・ホームズの事件簿~消えた公爵家の子息~」(ナンシー・スプリンガー・ルルル文庫)
エノーラ・ホームズの事件簿~消えた公爵家の子息~エノーラ・ホームズの事件簿~消えた公爵家の子息~
 ホームズの年の離れた妹が主役の物語。
 暗号の謎解きなんかはわりと出てきますが、犯人当てをしたりするよりも14歳の少女の家出を描いた冒険ものと言った方が正しいと思います。暗号を解くときは頭を使っているものの、行動するときはかなり行き当たりばったり。シャーロック・ホームズの「(エノーラは)脳味噌の容量が少ない」という台詞は最初どうかと思うものの、段々「そういわれても仕方ないかな」と思えてしまう部分も……。
 エノーラの冒険がメインなので、サブタイトルになってる子息の扱いがあんまり良くないのは拍子抜け。母親探しにしても同様。でも、シャーロックとの兄妹っぽい会話はいいなぁと思いました。

肷

「エンドロールまであと、」

■今日読んだ本メモ。
「エンドロールまであと、」(壁井ユカコ・ルルル文庫)

 珍しい異性一卵性双生児の姉弟、右布子と佐馬之助。互いへの想いを自覚できない姉と自覚してしまった弟の物語。
 とりあえず「これって青春モノか?」(あとがき参照)というのが最初の感想でした。部活とか恋愛とかで青春だー!というより、双子の禁断の恋の方がクローズアップされすぎて、他の部分があまり印象に残らなかったんですが……。特に、作った映画に関しては扱いがかなりおざなりだったような。友人たちの存在も宙ぶらりんな感じがしました(特に”いいなづけ”の方)。
 恋愛に関しては、あんまり好みの方向性でなかったんで特に興味が沸かなかったんですが、それでもじわりじわりと不吉な方向へ転がっていく展開に暗い気分にさせられてしまいました。

肷
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