「四方世界の王6 すべての四半分は女の15」

■感想メモ。
「四方世界の王6 すべての四半分は女の15」(定金伸治・講談社BOX)
四方世界の王6 すべての四半分は女の15(ハミシュシェレト) (講談社BOX)
 シャルラトの力を借り、ついにエレールを倒したナムルとエリシュティシュタルは、バラバラにされたシャズを復元してアッシュールを脱出する。一方、シャムシ=アダド率いるアッシュール軍は隣国マーリ攻略に向けて進撃、ラルサのリム=スィーンもやはり隣国イスィン征服に向けて動き出す。四方世界の王をめざす両雄の激突が刻一刻と迫っていた―。

 シリーズ第6弾。
 無事に出ただけで感無量というか(笑)。巻末のプレゼント広告が「全12巻購入者抽プレ」→「全14巻購入者抽プレ」→「1~6巻購入者全プレ小冊子」に変わってるし!
 それはさておき。懐かしい人が出てきたり、新しい人が出てきたりで、キャラクターが出そろってきたのが非常にわくわくしました。主人公はシャズを助けたと思ったら今度は自分が拉致されたりと迷走してますけど。イシュメ=ダガンがいつも通りで安心したり、イバルピエルの本心が切なかったり。面白かったんですが、次はちゃんと出るのかな……という不安も。秋に出るのを信じてます!

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「騎士の系譜 フェンネル大陸偽王伝」

■感想メモ。
「騎士の系譜 フェンネル大陸偽王伝」(高里椎奈・講談社ノベルス)
騎士の系譜  フェンネル大陸偽王伝 (講談社ノベルス)
 愛する兄の裏切り、投獄、国外追放―悲しき過去を持つ13歳の王女・フェンベルクはソルド王国にたどり着き、騎士見習いの少年・ロカと出会った。親友になった二人はある日、国立蔵書館へ。だがそこで国を揺るがすある計画を偶然耳にしてしまい、二人は命を狙われることに!

 シリーズ第2弾。
 うーん、1巻に続いて2巻もやはり「薄い」と感じてしまいました。どのキャラも描写が足りていないので、「じつはこうだった」「こういうふうな感情を抱いていた」と明かされてもいまいち驚きやら共感やらはしにくかったです。舞台が別の国に移ったので新しいキャラもぞろぞろ出ていましたが、性格や立場を把握しきる前に話が終わってしまった印象。全体的に、もう少し掘り下げや書き込みがあればなぁと思ってしまいました。さくさくと読めてテンポは良いのですが。

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「孤狼と月 フェンネル大陸 偽王伝」

■感想メモ。
「孤狼と月 フェンネル大陸 偽王伝」(高里椎奈・講談社ノベルス)
孤狼と月 フェンネル大陸 偽王伝 (講談社ノベルス)
 大陸の東端に位置するストライフ王国。幼くして指揮官に就いたフェンベルクは、悪鬼を従える獣兵師団を率いて外敵を打ち払い、順調に戦果を上げていた。しかし不意に舞い込んだ凶報が、次第に彼女を奈落の底へと導いて行く。投獄、国外追放、失意の果てに見た真実とは…。夜明けを目指す、王道ファンタジー第1弾。

 シリーズ第1弾。
 あらすじに「幼くして」とはあったものの、13歳の女の子がグールを指揮して戦っているのは少々驚きと言うか違和感がありました。読んでる途中の感覚としては15歳くらいかな?という感じだったので……。それと、中盤くらいの展開からいうと仕方が無い面もありますが、主人公のフェンが喜怒哀楽をあまり見せず淡白なので、ストーリーも淡々と流れて行った印象。しかし、サチやその他、感情をはっきり見せるキャラクターが出てきた辺りからは引き込まれて一気に読めました。登場人物がどんどん増えていけば、もっと盛り上がるかな?と思いました。
 グールの設定に関してはフェンと同じく驚かされましたけれど、序盤の描写ではそういうふうに全然見えないなぁと。「グール」という名前からのイメージが私の中でがっちり定まり過ぎているからかもしれません。

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「四方世界の王5 荒ぶる20(エーシュラ)の太陽と変異」

■感想メモ。
「四方世界の王5 荒ぶる20(エーシュラ)の太陽と変異」(定金伸治・講談社BOX)
四方世界の王5 荒ぶる20(エーシュラ)の太陽と変異 (講談社BOX)
傭兵王・シャムシ=アダドの虜囚となったシャズ。地獄の苦しみに苛まれる彼女を救うべくアッシュールの王宮に侵入したナムルの前に、傭兵王の娘・エレールが立ちはだかる。神の力を裡に秘めたふたり。互いに譲れぬ想い。共に生きることは出来ない世界で、血塗れの闘いの果てに立っている者は―。

 シリーズ第5弾。1年ほど延期してやきもきしていましたが、出たら出たでやたら分厚くなってるわ、全12巻予定が14巻になってるわで吹きました。今後もこの厚さで隔月刊行予定とのこと。
 シャズが捕えられたことで、ナムルが今まで彼女から学んだことを活かしつつ、主人公らしく歩み始めた巻でした。ばらばらの場所で動いていたキャラたちが徐々に集まってきているのも、波瀾が起こりそうでわくわくします。個人的にはあくまで人間の立場であろうとするイバルピエルと、無能とされつつも人間くさいイシュメ=ダガンのふたりが漫才しているのが楽しくて好きです。今回退場してしまった彼女は、強烈な個性の持ち主だっただけに惜しかったです。最後まで見せつけた執念は凄まじいの一言でした。

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「幻獣坐 The Scarlet Sinner」

■感想メモ。
「幻獣坐 The Scarlet Sinner」(三雲岳斗・講談社ノベルズ)
 幻獣坐 The Scarlet Sinner (講談社ノベルス)
 財政破綻し、鷲王院と呼ばれる巨大企業に支配された日本。自殺した友人の死の原因を調べていた高校生・久瀬冬弥は、同級生の藤宮優々希が、人の死を操る「幻獣」の力を持っていると知る。鷲王院に逆らい己の信じる正義を実行するため、優々希を利用しようとするが、新たな「幻獣」の持ち主が現れ…。

 帯に「世界を弄ぶ」と書かれていたのでどれくらいスケールの大きな話なのだろう?と期待したのですが、プロローグ止まりの印象で、ちょっと肩すかしでした。主人公の悪人度も物足りない。ヒロインを利用している部分もあるものの、もっともっと外道だったら良かったなぁと。反面、幸せな日常からどんどん滑り落ちて行ってしまうヒロインがどうなっていくのかというのは気になりました。今後も続くシリーズなら、次も読んでみようかなと思います。荒唐無稽なくらい弄んでくれることを期待。

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「幻人ダンテ」

■感想メモ。
「幻人ダンテ」(三田誠・講談社ノベルス)
幻人ダンテ (講談社ノベルス)
「えええー、君、記憶ないの!格好いい!」そう言って探偵は道端で、俺を拾った。彼女に付けられた俺の名前は、赤月あお。まるで少女のような探偵の名は、天草しじま。追っているのは、他人に“擬態”することができるという、仮面の怪人・ダンテ…。これは“自分”を失った俺と、困った探偵と、ヒトゴロシの怪人の物語だ。

 あまり謎解きとかがメインの話ではないのですが、「ダンテ」の設定を上手く活かしているなと思いました。探偵と怪人がワンセットなのも雰囲気があっていいですね。本物だ偽物だというあたりは少し電撃文庫の「イスカリオテ」を思い出させてくれます。まぁ本作はバトルが主というのではないですが。
 あおとしじまの緩いような深いような関係も好きですが、キャラの中では志摩さんのおっかなさが一番印象に残りました。
 それにしても、今作がまるで2作目であるかのような錯覚に陥らせる原因である「薔薇城事件」が気になります。もし続刊があるなら、その話も読んでみたいです。

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「鳥は星形の庭におりる」

■感想メモ。
「鳥は星形の庭におりる」(西東行・講談社X文庫)
鳥は星形の庭におりる (講談社X文庫―ホワイトハート)
 双都オパリオンの貴族の娘プルーデンスは、ちょっぴりおませな十三歳。亡くなった祖母を弔うため、家族とともにアラニビカ島に向かうが、遺品から護符が見つかって—。島の迷宮の謎をめぐり、プルーデンスは大人たちの陰謀に巻き込まれていくことに。味方(?)となるのは、蒼い衣をまとった名無しの吟遊詩人。容易く女たちを魅了する彼の正体は―。

 作者のデビュー作だそうですが、かなりしっかりとした作品だなぁと感じました。神様や精霊といった世界観も良いし、謎解きのパズル要素も○。ファンタジーのヒロイン(それも13歳の貴族のお嬢様)が数学を愛している、というのが新鮮でした。彼女についても、詩人さんについても、それぞれのその後を見てみたいなと思いました。
 主役2人が魅力的だった半面、他のキャラは読んでて閉口するような人物が殆どで、ちょっとうんざり気味。味方になってくれるキャラがあんまりいないせいかもしれませんけど……。もう少し、脇キャラの美点なども見られたら良かったです。あんな人たちに囲まれてプルーデンスは日々を過ごしていたのかと思うと、少しいたたまれない気持ちになりました。

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「四方世界の王 あらゆるものの半身、月齢の30」

■読んだ本メモその1。
「四方世界の王 あらゆるものの半身、月齢の30」(定金伸治・講談社BOX)

 シャムシ=アダド率いるアッシュール軍とイバルピエル率いるエシュヌンナ軍が全面衝突。オリエントに戦国を呼ぶ血の雨が降る時、剣戟の響きの中で暴かれる一人の女の真実。闇の王太子・ハンムラビの正体。失わなければ得られない。それでも君は、四方世界の王への道をゆくのか――。

 シリーズ第4弾。
 今回のメインはやはりシャムシ=アダドVSイバルピエルなのですが、その影では着々と主人公が表舞台に立つための準備が整ってきているようにも思われます。
 いつまでもシャズにくっついているだけではダメだと……、というよりはヒロインをかっこよく(かどうかは疑問ですが)助けられる男として成長して欲しいなぁと。ナムル自身にも秘められた謎があるようで、明かされるのが非常に楽しみです。
 今回一番印象が変わったのはやはりイシュメ=ダガンですね。単に無能なだけのキャラだと思いきや、いきなりツンデレに(笑)。というだけでなく、今後の成長が気になる人物です。
 そしてラスト。某キャラのヤンデレ化が促進されそうで困ってしまいます。過激な行動に出ないと良いのですが……。

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「四方世界の王3 40(エルバ)の智は水のごとく流れる」

■今日読んだ本メモ。
「四方世界の王3 40(エルバ)の智は水のごとく流れる」(定金伸治・講談社BOX)
四方世界の王3 40(エルバ)の智は水のごとく流れる (講談社BOX)
 叛乱の地シッパルで神の娼婦が微笑む頃、バービルムの王宮に眠る秘密は目を覚まし、東ではエシュヌンナの太陽・皇太子イバルピエルと傭兵王の息子イシュメ=ダガンが激突する。オリエントの凪は去った。人は、少年であり続けることはできない――。

 シリーズ第3弾。
 やたらとぼんやりした主人公ナムルも、ようやく主人公らしくなってきた……かな?といったところでしょうか。ただ無力なだけでなく、彼にしかできないことが示され、周囲の人間を惹きつけはじめています。ナムルに対して突き放した態度を取っていたシャズも、心のどこかで彼に甘える部分があったり、自分ではそれを否定したりと変化があって、読んでてにやにやしっぱなしでした。子どもに振り回されるだけではないおじさんキャラたちもいい味を出してましたが、死亡フラグ立ってないか心配です……。
 周囲の国だけでなく、自国の王も何やらたくらみ始め、事態は動きつつあります。主人公サイドには着々と人材が集まりそうな感じですが、果たしてどうなるか。次回も楽しみです。

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「四方世界の王〈2〉あるいは50(ハンシュ)を占める長子」

■今日読んだ本メモ。
「四方世界の王〈2〉あるいは50(ハンシュ)を占める長子」(定金伸治・講談社BOX)
四方世界の王〈2〉あるいは50(ハンシュ)を占める長子 (講談社BOX)
 北の傭兵王が仕掛け、東の皇太子が起つ時、オリエントの均衡は崩れる。バービルムに忍び寄る叛乱の影に、動き出す神秘の王子ハンムラビ。若き獅子たちの前に立ちはだかる南の巨人。少年と少女は今、戻れない道行きへ――。

 シリーズ第2弾。
 主人公とヒロイン(?)の出番は控えめで、その他主要キャラの顔見せといった印象の強い巻でした。不可思議な力もあまり振るわれず、人と人、国と国の探り合いが多め。彼らが激突した時にいったいどうなるのか、今後の期待が膨らみます。男性陣も個性的ですが、それを上回るのは女性たち。特に傭兵王の娘とか、本当にもうどうしようもないですね(笑)。傭兵王だっていつまでも完璧無敵ではいられないと思うのですが、そのとき彼女はどうするのか、というのが気になるところです。
 しかし、ジハードのときも思ったんですが、登場したばかりのキャラの末路をいきなり書くのはやめて欲しいなと……。もうちょっとぼかして欲しかったです。

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