「千の魔剣と盾の乙女8」

■感想メモ。
「千の魔剣と盾の乙女8」(川口士・一迅社文庫)
千の魔剣と盾の乙女8 (一迅社文庫)
 エリシアやナギの姿を見て、自分が置いていかれつつあると焦るフィル。そんなフィルの頼みで、伝説の武器の「タスラム」を探すことになったロックたちは、意外な人物との再会を果たす。その頃、大陸の魔物たちも封印された魔王を復活させるため動きが始めていた。大人気魔剣ファンタジー急展開の第8弾!

 シリーズ第8弾。
 パーティメンバー順番にパワーアップエピソードをこなしていって、今回はフィルの番。なのですが、ホルプのあれやこれ(帯のネタバレが酷い…そして序盤のフラグをしっかり回収)の方がインパクトあって霞んでしまいがちなのが残念。妙にゲームっぽいギミックの神殿や、試練などもありますが、淡々と消化されて行くのであまり危機感はなかったです。
 新キャラをむやみやたらと増やさなかったのは好印象……ですが、ここにきてパーティメンバー=ハーレム要員が増えるとは。その辺収拾就くのかなぁとどうしても思ってしまうのでした。いったい何人を嫁にするつもりなんでしょうか。

肷

「異世界の魔法使いがうちに居候中です!?」

■感想メモ。
「異世界の魔法使いがうちに居候中です!?」(にのまえあゆむ・一迅社文庫)
異世界の魔法使いがうちに居候中です!? (一迅社文庫)
 僕、柏木清春の部屋の押し入れを突き破って現れた女の子―奈々子。魔法が当たり前に存在する別世界からやってきたらしいんだけど、そう簡単には信じられないよ。そんな僕の目の前で奈々子は魔法で人形を動かしてみせた!でも、途中で人形はコントロールを失って暴走を始めてしまう。―そう、奈々子は半人前の魔法少女だったのです。果たして僕は奈々子を元の世界に戻してあげられるのか。それともうちにこのまま居座っちゃうの!?まさかの居候系半人前魔法少女ラブコメ。

 前作「鈍感な僕と鋭い彼女」は好きだったんですが、今作は微妙。
 魔法使いヒロインはわりと空気で、主に幼馴染みと生徒会長が主人公を取りあい。作中で起こる問題も、自分たちのせいで起こったものを自分たちで解決する、というスケールの小ささで、特に敵も存在しません。それ自体が悪い、というのではないのですが、話の運び方が行き当たりばったりな感があって……。ラブコメ方面も、生徒会長の参戦がやや強引に感じられてしまいました。女性陣を意味もなく全裸にする(イラスト付き)もどうなんだろう、と……。

肷

「千の魔剣と盾の乙女7」

■感想メモ。
「千の魔剣と盾の乙女7」(川口士・一迅社文庫)
千の魔剣と盾の乙女7 (一迅社文庫)
 ロックの故郷シュリガッハを訪れた一行は、ロックの幼なじみの少女、ノエルと出逢う。海に沈む伝説の都市アルモリカの財宝を探すノエルの夢に共感し、同行を申し出るロック。エリシアは自分の知らないロックを知るノエルの態度にもやもやした感情を抱くが、不満を言いだせず口をつぐんでしまう。そんなエリシアに挑発的な言葉を投げかけるノエル。ロックをめぐる二人の対峙により事態は思わぬ方向に…。アルモリカに待ちうける怪物の影、そして財宝の正体とは一体何か。魔剣ファンタジー、急転の第七弾。

 シリーズ第7弾。
 パーティメンバーを順番にパワーアップさせていく展開(今回はエリシア、次回はフィル)で、良く言えば丁寧、悪く言えば冗長。7冊目ともなれば、ヒロイン3人の立ち位置も固定化されてきているもので、ゲストヒロインがロックにちょっかい出してきてやきもき……も見慣れてしまい、はらはらすることもなく。けして幼馴染みのキャラが悪い、とかそういうことではないのですが……。
 リャナンシーの背景については興味を引かれましたが、それ以外だと安定しすぎていてちょっともの足りませんでした。

肷

「XIII番の魔符詠姫2」

■感想メモ。
「XIII番の魔符詠姫2」(手島史詞・一迅社文庫)
XIII番の魔符詠姫2 (一迅社文庫)
 夜な夜な街を徘徊しては悪人から血を奪い、魔符詠姫の紅葉やマコトとイタチごっこを続けるキリク。日中は紅葉たちと比較的平和な学園生活を送っていた。ある日、いつものように夜の街を徘徊していたキリクは、見知らぬ魔符詠姫から襲撃される。紅葉よりも果敢で、マコトよりも攻撃的な魔符詠姫の執拗な追撃に逃走もできず追い込まれたキリクだが、別の“ヴァンパイア”によって助けられる。キリクを助けたヴァンパイアの名は良人。こちらの世界へ来る前にキリクの友人だった少年だった。その頃、敵であるはずのキリクと良好な関係を築く紅葉の姿を見て、マコトは自分の正義は本当に間違っていないのか、かつて自分の両親を殺したヴァンパイアの姿を思い起こしながら、深く悩むのだが…。

 シリーズ第2弾。
 この作品世界におけるヴァンパイアは、並行世界から飛ばされてきた人間が変異してしまったものである……というのは読者には既知の設定ですが、作品世界内における”普通の人間”にとってはやはりヴァンパイアという単語によるイメージが先走ってしまうのだなぁと思ったり。そういった点では、マコトの頑なさが段々変化していき苦悩するストーリーラインは良かったです。
 しかし妙にマコトに主人公を意識させてしまう=ハーレム化方向に持っていってしまったのは安易だったような。キリクと紅葉の関係がこの作品の良さのひとつであると思っているので、ハーレム化されてもあんまり嬉しくないです……。
 人間とヴァンパイアとの共存はハードルが高そう。その前に、3巻は出るかどうかも未定みたいなんですけどね。

肷

「憧れのあの娘が突然迫ってくるんだが、どうしたらいい?」

■感想メモ。
「憧れのあの娘が突然迫ってくるんだが、どうしたらいい?」(天草白・一迅社文庫)
憧れのあの娘が突然迫ってくるんだが、どうしたらいい? (一迅社文庫)
 俺、川瀬春道が憧れる桐原真白先輩は「女子力アップ美容薬」なるものを作り出し、目の前でそれを飲んでしまった。その日二人で居残りしているとなぜか先輩が制服を脱ぎ始め、さらには俺の前でブラジャーまで外してしまう。そして先輩は俺の腕をその豊かで柔らかな胸へ…。お、俺はこれからどうしたらいい?周りの可愛いあの娘から迫られまくるハーレム系迫られラブコメ登場。

 要するに「媚薬飲んだ女子3人にひたすら迫られる」というだけの、それ以上の内容のない、うっすい話でした。主人公が開き直ればそれはそれで面白かったかもしれませんけど、鈍感で、事態を解決しようとしてできない、という……。同じ展開でいくらでも引き延ばせそうだなーという感じでした。

肷

「パンツブレイカーG」

■感想メモ。
「パンツブレイカーG」(神尾丈治・一迅社文庫)
パンツブレイカーG (一迅社文庫) 
 影那を狙った敵対組織の襲撃を“パンツブレイカー”の秘められた力を解放し阻止した正幸。学園に平穏を取り戻したかに思えたが、正幸に敵意を剥き出しにする少女・野田雨音が現れる。そんなおり、“パンツブレイカー”の研究のため、影那が南の島での実験を兼ねた旅行に誘ってきて…。

 シリーズ第2弾。
 相変わらず、主人公の馬鹿馬鹿しい(良い意味で)能力と真面目に向き合っている姿勢に好感が持てます。さすがに1巻ほどのインパクトはありませんでしたが、安心して読める作り。ぱっと見だと役に立たないような能力でも、上手に活かされているのがいいなぁと思います。
 新キャラ2人については、それよりも既存のキャラをもっと掘り下げて欲しいなとか、キャラ増やし過ぎると扱いきれなくなるのでは?などと思ったりもしました。主人公兄妹の良さは言わずもがなですが、今回は特にサンダーが可愛かった!
 続くならこのノリを突き進んで欲しいですが、続刊出るんでしょうか……?

肷

「八丈島と、魔女の夏」

■感想メモ。
「八丈島と、魔女の夏」(小椋正雪・一迅社文庫)
八丈島と、魔女の夏 (一迅社文庫)
 両親の長期出張で俺が預けられた先は八丈島?!しかも、俺を預かってくれることになった親父の親友は本物の魔女?!島に住む少女、真奈との出逢い。そして八丈島の穏やかな生活と魔女エーファのまわりでおこる不思議な事件。俺のわりと波瀾万丈な八丈島生活がここに始まる!

 第1回キネティックノベル大賞佳作受賞作。
 ほのぼのとした日常もの+ちょっと不思議要素。派手な事件もあまり起こらず、のんびりした雰囲気の作品。
 主人公とヒロイン、魔女はいいとして、クラスメイト女子3人は頭数をそろえるためにいるようで、ちょっと個性が足りない感じ。
 全体的に盛り上がりには欠け、何だか伏線めいたものはちらほらあるのに、ほとんど回収されず。ラストも結構投げっぱなしな感じがしました。続編があるのかもしれませんが、1冊完結として見ると物足りないものがありました。

肷

「あくまでも、妹が欲しいんです。」

■感想メモ。
「あくまでも、妹が欲しいんです。」(水無月さんご・一迅社文庫)
あくまでも、妹が欲しいんです。 (一迅社文庫)
 無類の妹好きなのにリアル妹がいない俺、二宮シンヤ。その迸る想いを胸に妹イラストを描いていると、窓から悪魔のリリンがやってきた。リリンは俺の願い事を3つ叶えてくれるらしい。それを聞いて「妹が欲しい。あ、もう一人。もう一人追加」と願う俺。それはもう詳細な設定資料まで付けて。翌朝起きると願いは見事叶い、俺の家には二人の妹が―!?小悪魔系ドタバタ妹コメディ。

 妹好きで妹が欲しくて悪魔にお願いしたら妹が3人もできてしまった!という冒頭から始まる妹3人とのドタバタな生活は割と楽しく読めました。
 しかし、後半のとってつけたようなシリアス展開はいただけません。主人公は「妹」という記号が好きなだけで、妹本人のことはどうでもいいのでは?と疑ってしまうような無茶ぶり。「妹」さえいたら、それが誰でもいいのか……と突っ込まずにいられません。結局は「自分の考えた妹キャラ」が実現すればそれでいいのかと。何とも味気ない感じがしました。

肷

「俺がお嬢様学校に「庶民サンプル」として拉致られた件2」

■感想メモ。
「俺がお嬢様学校に「庶民サンプル」として拉致られた件2」(七月隆文・一迅社文庫)
俺がお嬢様学校に「庶民サンプル」として拉致られた件2 (一迅社文庫)
 お嬢様にモテモテ生活&庶民部の活動はさらに加速。ツンピュア愛佳の次なるぼっち脱出作戦、白亜と過ごす何気ない休日、麗子の女子会、可憐さんの太ももなどなど、全26話+α、ノンストップ&おまけページも充実でおおくりする超人気ハートフル学園ラブコメ第2弾。

 シリーズ第2弾。
 メインのストーリーがあるようなないような、部活である必要性もあるようなないような、そんな軽い話をさくっと読める感じになってます。
 白亜との絡みはほのぼのするし、相変わらずモブお嬢様たちは可愛いなぁと思うものの、個人的には可憐が浮いてしまっているように思われました。女子会のくだりは好きで、ぶっちゃけ主人公いない方が面白いんでは?などと思ってしまう部分も……。ラストのメイドさんのインパクトも良かったです。しかし、愛佳の脱ぼっち作戦はワンパターン化(ぼっち脱出→失敗)しないかどうかとネタ切れが不安点。

肷

「覚えてないけど、キミが好き」

■感想メモ。
「覚えてないけど、キミが好き」(比嘉智康・一迅社文庫)
覚えてないけど、キミが好き (一迅社文庫)
 高校二年生の小衣吉足、あだ名は小吉。高一の妹ひなたと二人暮らし。両親を三年前に亡くし、そのショックから「自分にとって身近な人であればあるほど忘れてしまった」特殊な記憶喪失で過去の一部を失くしていた。そんなある日、突如、誰もが振り返るような美少女が転入してくる。その名は浅海ゆらら。吉足は、ゆららから衝撃の真実を告白されてしまう。「わたしの元カレは…小衣吉足です」記憶を失った空白の一年、本当に吉足はゆららと付き合っていたのか?そしてゆららの急接近に慌てる妹ひなたの真意とは。

 あらすじを読む限りでは、「本当に主人公とヒロインは付き合っていたのか?」というのを主軸にした話のように思えるのですが、メインは妹の話でした。
 恋人だったかどうかはほぼ確定な感じで、もしかしたらこの先揺らぐことがあるのかもしれませんけど、現状では「ヒロインが主人公に積極的に絡みたい理由」くらいな位置づけ。ストーリー的には、「主人公兄妹とヒロインが同居することになって三角関係に?」というところに着地すべく1冊引っ張った、という感が否めませんでした。ヒロインが迷探偵だったりコスプレしまくったり……という変な設定が浮いてしまってるなぁと個人的には思ってしまいました。

肷