「テイルズオブヴェスペリア 竜使いの沈黙<下>」

■感想メモ。
「テイルズオブヴェスペリア 竜使いの沈黙<下>」(奥田孝明・ファミ通文庫)
テイルズ オブ ヴェスペリア 竜使いの沈黙 下 (ファミ通文庫)
 “人魔戦争”によって故郷・テムザと父・ヘルメスを失ったクリティア族のジュディスは、バウルと共に父の名誉のため、彼が生み出した新型魔導器をひとつ残らず破壊することを決意する。それから五年…ジュディスは、“竜使い”として世間に知られるようになっていた。そんなある日、いつものように魔導器を破壊しようとしたジュディスは、対象が“人間”の少女・エステルだったことに驚愕するが…!?知られざるジュディスの物語、いよいよクライマックス。

 ゲーム「テイルズオブヴェスペリア」に登場する仲間キャラ・ジュディスに焦点を当てた外伝作品の下巻。
 レイヴンのとき(虚空の仮面)と同様、上巻はパーティ入りする前の過去話で、下巻はゲーム本編の内容(Xbox版仕様)に触れています。ゲームで描かれなかった心情が読めるのは良いものの、ガンガン出てくる地名とか、設定とかが説明不足気味なので、ゲームをやってない人が読むのは辛いのではないかと思います。それでも駆け足気味ながら、ゲームのほぼ終わりまでやってくれたのは、ジュディスが好きなのもあり嬉しかったです。ユーリとのやり取りにはにやにやしてしまいます。はぐらかすような会話が好きです。
 全体的には、バウルとふたりきりだったジュディスの心情が徐々に変化していって、仲間たちとの絆が出来ていく様や、父や「もうひとりの娘」への想いがとても良かったと思います。

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「テイルズオブヴェスペリア 竜使いの沈黙(上)」

■感想メモ。
「テイルズオブヴェスペリア 竜使いの沈黙(上)」(奥田孝明・ファミ通文庫)
テイルズ オブ ヴェスペリア 竜使いの沈黙 上 (ファミ通文庫)
 謎の竜使いとしてユーリたちの前に現われ、その後、仲間となったクリティア族のジュディス。彼女は、“人魔戦争”の原因となった新型魔導器を生んだ研究者ヘルメスの娘だった。父とテムザで平穏な日々を過ごしていたジュディスは、ある夜、バルビュサの峰へなにかが飛ぶ姿を見て、好奇心から正体を確かめるために家を抜け出すのだが…。知られざるジュディスの物語が、今、始まる!

 「テイルズオブヴェスペリア」のパーティキャラであるジュディスを主人公にした外伝。上下巻の上巻です。
 ゲーム中では触れられなかったクリティア族の慣習が、普段は平穏をもたらす半面、非常時には悲劇をもたらす一端となっていたのがなかなかに興味深かったです。
 今回描かれたのは、ジュディスのゲーム中の行動を決意するに至るまでの過程。下巻ではゲーム本編の内容と被ってくるのかな、と。前のレイヴンの外伝は下巻が駆け足に感じられた部分もあったので、今回は尺が足りているといいのですが……。ジュディスとユーリの掛け合いが好きだったので、その裏の彼女の心理を見たいなぁと思います。

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「残光の女神と1/2アンデッド」

■感想メモ。
「残光の女神と1/2アンデッド」(佐々原史緒・ファミ通文庫)
残光の女神と1/2アンデッド (ファミ通文庫)
 一度死んで蘇生した『半死人』冬哉と、死者の霊を彼岸へ送る『渡し』の那由子は、奇妙な協力関係を築いていた。
だが、日ごとに死者に近づく冬哉は焦っていた。
自らの存在は消えても、那由子だけは「人」としてこの世で生きてほしい――。
そんな想いを胸に自らの死の真相を追っていた冬哉に、次々と衝撃の事実が突きつけられる。
さらに、彼此見市を謎の光が襲い人々が昏倒するという現象が発生、冬哉と那由子は調査に乗り出すが……?

 シリーズ完結。
 あと1・2冊くらいは続くかなと思っていたのですが……。平穏な日常パートはもっと見たかったです。いつかは置き去りにしてしまう、大切なものだと分かった後ではなおさら。
 主人公の死の真相、那由子の真実、など明かされることは多かったですが、親世代の話はちょっと唐突感もあったかなと。本人たちに直接の理由の無いことで悩み傷つけられるのは見ていて辛い。真相を知った後で1巻から読み直すともっと重たい気分になれそうです。
 完全にハッピーエンドで終われはしないだろうと予想していましたが、エピローグは「あの後ひとりひとりが何を想って生きていったのだろう」と考えると胸が痛みました。それでもラストの再会シーンは良かったです。

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「生贄の羊と1/2アンデッド」

■感想メモ。
「生贄の羊と1/2アンデッド」(佐々原史緒・ファミ通文庫)
生贄の羊と1/2アンデッド (ファミ通文庫)
 一度死んで蘇生した“半死人”冬哉と、死者の霊を彼岸へ送る“渡し”の那由子。二人は那由子の大切な「鏡」を取り戻すために奇妙な協力関係を築いていた。夜な夜な霊を“渡す”仕事に勤しんでいたある日、近隣の高校の横内に漢字が描かれ、その文字が名字に含まれる生徒が怪我をする事件が相次ぐ。霊の仕業と噂されるこの事件の裏に蠢いていたのは、ある女子生徒の血塗られた愛憎劇だった―。

 シリーズ第2弾。
 前巻ラストで主人公が異能を手にしてしまったので、安易な退魔ものにならないといいなと危惧していたのですが、自由自在に使えるわけではないという制限がきちんとあってほっとしました。ストーリーとしても、主人公の死の真相がいきなり暴かれるのではなく、手がかりもない不気味さがひたひた迫ってくる様に、「真相を知らないままの方がいいのかも」と思わせたところで今回の事件をぶつけてくる嫌らしさが上手いなぁと思いました。読み進めるにつれて気が滅入ってくる今作ですが、合間合間での那由子の食いしん坊っぷりが和ませてくれます。ラストにはやっとほっと一息つけました。
 しかし、瀬尾が良い奴すぎて、死亡フラグ立ったのではないかとハラハラしてしまいます……。最後まで無事でいるといいのですが。

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「死神少女と1/2アンデッド」

■感想メモ。
「死神少女と1/2アンデッド」(佐々原史緒・ファミ通文庫)
死神少女と1/2アンデッド (ファミ通文庫)
 海辺で遺体となり発見された冬哉は、恐怖に満ちた夢を見て蘇生した。だが心音もなく姿も鏡に映らず、屋内外に佇む霊が見える…。そんな異常を隠し日常に戻った彼のクラスに突然、あの夢で見た大鎌の少女が現れた!戦慄し逃げる冬哉に、少女は迫る。「鏡を返せ」と―。それが己の死の真相を忘却した“半死人”冬哉と、迷える魂を彼岸に送る“渡し”那由子の奇妙な関係の始まりだった。死と生の境を越えて出逢った二人のダーク・ミステリ・ロマンス。

 シリーズ第1弾。
 最初にタイトルだけ見たとき何故かラブコメものかと勝手に思っていたのですが、ホラーっぽい雰囲気の作品でした。一度死んで生き返った冬哉が、自分が生きている人間とは決定的に違う点(鏡に映らない、など)を、日常生活の中でひとつずつ見つけていく描写は、一歩ずつ入ってはならない領域に足を踏み入れてしまっているようでぞくっと来ました。
 このままホラー風に進むのかな?と思いきや終盤で退魔ものっぽくシフトしちゃってあれ?という感じ。下手に冬哉に能力を与えない方が良かったような気がするのですが……個人的な好みですが。
 まだ友人たちには真相を知られてはいないので、バレちゃったらどうするのか、どんどん日常が崩れていってしまうのか、そのあたりが気になるところです。

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「テイルズオブヴェスペリア 虚空の仮面(下)」

■感想メモ。
「テイルズオブヴェスペリア 虚空の仮面(下)」(奥田孝明・ファミ通文庫)
テイルズ オブ ヴェスペリア 虚空の仮面 下 (ファミ通文庫)
 騎士・ダミュロンは、“人魔戦争”によって大切な人と生きる目的、そして命そのものを失う。しかし、騎士団長アレクセイが心臓魔導器を移植したことにより、ダミュロンは“人魔戦争”から戻った数少ない騎士のひとり“英雄シュヴァーン”として生きることになるのだが…。飄々としたキャラクターで人気のレイヴンの、ゲームでは触れられなかった過去を描く外伝、下巻。オリジナルスタッフが贈る知られざるレイヴンの物語が、ここに完結。

 上下巻の下巻。
 上巻はゲームの前日談がメインなので未プレイの人が読んでも問題ないと思いますが、ゲーム本編になる下巻では場面が飛び飛びになってしまってるので、未プレイだと少し戸惑うかもしれません。個人的にはエンディングまでやって欲しかったですが、上下巻でまとめるためには仕方が無かったのかな、と。あとイェガーやキャナリ関連のサブイベントも触れて欲しかったというのは贅沢過ぎでしょうか。イェガーのことはもっと掘り下げるかと思ったのにあっさり……。
 レイヴン視点でパーティメンバーへの印象やら想いやらが描かれていたのはなかなか良かったです。ベースとなってるのがXbox版なのか、出番が削られてるorそもそも登場しないキャラもいましたが。やっぱりレイヴンはいいキャラだなぁと思いました。

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「テイルズ オブ ヴェスペリア 虚空の仮面 上」

■感想メモ。
「テイルズ オブ ヴェスペリア 虚空の仮面 上」(奥田孝明・ファミ通文庫)
テイルズ オブ ヴェスペリア 虚空の仮面 上 (ファミ通文庫)
 ファリハイドの名門貴族の放蕩息子であるダミュロン・アトマイスは、なりゆきで騎士となる。しかし、派遣された先の帝都ザーフィアスでも、故郷と変わらない日々を送っていた。そんなある日、彼はキャナリという女騎士と出会い、そして、あの“人魔戦争”に巻き込まれ…。『テイルズ オブ ヴェスペリア』ノベライズシリーズ第四弾。ゲームのオリジナルスタッフが、ゲームでは語られていないレイヴンの物語を綴ります。

 「テイルズオブヴェスペリア」のパーティキャラの一人であるレイヴンの過去を描いた上下巻の上巻。
 ヴェスペリアのノベライズは角川スニーカーのを最初だけ読んで以降ファミ通版もスルーしていましたが、内容的に興味を惹かれたので読んでみました。
 ゲームで語られなかった部分(そして制作時には細かく決められてなかった部分)であるので、多少「後付け設定」っぽさもあったり、ゲーム内描写と食い違ってるんではないかと思う個所もありましたが、全体的には上手くまとまっていたかなと。特に「レイヴン」でもない「シュバーン」でもない「ダミュロン」の存在がいいですね。下巻ではゲーム本編まで追いつくのでしょうか。そちらも楽しみです。

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「創立!? 三ツ星生徒会4 そうして恋3は辿りつく」

■感想メモ。
「創立!? 三ツ星生徒会4 そうして恋3は辿りつく」(佐々原史緒・ファミ通文庫)
創立!? 三ツ星生徒会4 そうして恋3は辿りつく (ファミ通文庫)
 想い人「向坂水穂」は存在しないと知って絶望するまどか。そして自分(と水穂さま)を責める恵。でも落ち込む暇もなく、体育祭の準備では元ホシ高VS元ホシ女の調整に頭が痛いし、その後には恐怖の新生徒会選挙戦が(涙)。まどかが厳しいマニフェストで反感を買う一方、鳥越は出馬せず恵を推すと宣言!まどかも「私と戦え」って、もう逃げられない!?さらに突如水穂さまの池に異変が…!!生徒会と恋の行方やいかに!?多重三角関係ラブコメ大団円。

 シリーズ完結。
 1巻当初はこういう結末にたどりつくとは思ってもみませんでした。
 他のキャラより明らかに影が薄く、これといって目立つところの無い主人公の恋愛がはたしてどうなるのか。どうにもならないんじゃないか……と思われて、途中までは読むのが結構しんどい部分もありました。しかし、最後まで読んで良かった。地味な頑張りが一気に花開くのに、かなりじーんとさせられました。本人が戸惑ってしまうくらい報われちゃって……。
 心残りは体育祭と生徒会長選挙が詳しく描かれなかったことでしょうか。面白そうだったんで惜しかったです。

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「創立!? 三ツ星生徒会3 それでも恋3は終われない」

■感想メモ。
「創立!? 三ツ星生徒会3 それでも恋3は終われない」(佐々原史緒・ファミ通文庫)
創立!? 三ツ星生徒会3 それでも恋3は終われない
「学校に、行きたくない」夏休み、陽菜に告白→玉砕した恵は憂鬱な二学期を迎えた。陽菜との関係はもちろんギクシャク…でもアレ?陽菜と鳥越もギクシャクしてるのはなぜ?一方で鳥越もまどかも向坂水穂(恵×金魚神=性別不詳!)への恋心を隠さない。そんな絡まった恋模様の中、突然文化祭の日程が一カ月も前倒しに。全校大混乱、黒プニ増量&生徒会の仕事も大激増!さらにその陰で蠢く“陰謀”も明らかに!?

 シリーズ第三弾。
 主人公・恵のあまりの報われなさに読んでいて辛くなってきて、3巻はやめておこうかとも思ったんですが、読みました。生徒会活動の方では、これまでの積み重ねと、こつこつとした努力が周囲に評価され、信頼を得ている様子で本当に良かったです。文化祭をみんなで作り上げていく様子も燃えました。
 恋愛方面では何だかもうどうしようもなく振り向いてもらえそうにないまま終わりそうですが……。四月さんに一度玉砕して、やっぱり結ばれるというのもどうかと思うので、恵はすべてを打ち明けてまどかとくっついたらいいんじゃないか……とか。恋愛方面でも、主人公が報われて欲しいものです。

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「セイクリッドブレイズ 堕ちゆく金狼と」

■今日読んだ本メモ。
「セイクリッドブレイズ 堕ちゆく金狼と」(枯野瑛・ファミ通文庫)

一頭の巨大な魔物により絶体絶命の危機に陥ったシルフォーネ。そこに突如現れ、魔物を退けたのは、勇者レクレスら“神の使徒”だった。勇者らしからぬレクルスの言動に戸惑いつつも、不器用な優しさを知り惹かれてゆくシルフィオーネ。魔物の正体と迫る“闇の刻”の真実を知りながらも、戦う決意をする彼女に、神の輝蹟が刻まれる—。話題のシミュレーションRPG「セイクリッドブレイズ」より、百年前の戦いを描くオリジナルストーリーが登場。

同タイトルゲームの外伝小説。
ゲームはやってないしほぼ知らないのですが、オリジナルストーリーというので作家買いしてみました。
ヒロインが少々好意を相手に押し付けすぎているのが引っかかるものの、序盤から違和感なく読み進めることができました。しかしラストが……。ゲームのネタバレはしないようにとの配慮なのかもしれませんが、肝心なシーンを思いっきりすっ飛ばしているのに唖然としてしまいました。「続きはゲームでね!」と言われてるような気が。ゲームやってないしやる予定の無い読者にも、もうちょっと優しい作りにして欲しかったです。ゲームやってる人ならまた違った印象の作品になるのでしょうが。

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